「山道を速く走るには、足場の形状を瞬時にスキャンしてスマートに情報処理することが大事です」
脳とカラダのリンク。それが、デザイン系WEB洋書店ハックネットを運営する安岡洋一さんがトレイルランニングにハマった理由だ。ロードとは違って山肌には樹木の根や不安定な浮き石など自然の障害物が潜んでいる。疲労が溜まって集中力を欠くとケガをする可能性も高くなる。
「危険を回避しながら、どれぐらいまでならスピードを出すことができるのか。自分の筋肉と体力のコンディションを確認しながらインテリジェンスにコースを戦略していくのが楽しいんです」
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この日アタックしたのは奥多摩の御岳山。標高929m。緩やかな傾斜区間が多く、登りも走れる18㎞だ。
「景色や勾配がどんどん変わっていくのがトレランの魅力。集中力が必要だから余計なことを考える暇がなく、頭がすっきりします。あと森林浴効果もいい。空気がきれいだから酸素の循環がスムーズで、ロードより軽快に走れているのを実感します」
脳とカラダに加えて、自然とのコミュニケーションも知的に楽しむ。これこそが、安岡さんが目指す文科系アスリートの理念だ。
(写真)御岳山を目指して颯爽と走る安岡さん。木々の枝などが顔や頭に当たる危険があるので、トレイルランではキャップとサングラスが必須アイテム。紅葉が美しい秋。
安岡洋一
●やすおか・よういち/1967年生まれ。〈メメックス〉 代表。97年、デザイン関連ビジュアル洋書を扱う〈hacknet〉をオープン。現在は、他業種とのプランニングや店舗開発など、ビジュアル書の新たな可能性を追求している。
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(「からだにいい100のこと。」より転載)