どんな体も美しい。ヌードカラーの下着を身につけ、7人の女性がヴィクトリアズ・シークレットに抗議

ネットで目にする"完璧な体"に、もううんざりしているんです
ロンドンにあるヴィクトリアズ・シークレットの前で、ヌードカラーの下着で立つ7人の女性たち
JORDAN SMITH
ロンドンにあるヴィクトリアズ・シークレットの前で、ヌードカラーの下着で立つ7人の女性たち

細すぎるモデルの起用が批判される中、2018年11月に開かれたショーでも細身のモデルばかり起用したヴィクトリアズ・シークレット。「トランスジェンダーのモデルは使わない」という、同社CMOの発言も批判された。

その発言から数日後の12月上旬、ロンドンにあるヴィクトリアズ・シークレットの店舗で、7人の女性が「多様性とは何か」を伝える抗議運動をした。

ヌードカラーの下着だけを身につけ、大勢の人で賑わうオックスフォード・サーカスの店舗の前に立ったのだ。

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抗議運動を計画したのは、ジョアン・モラレスさんシルヴィア・マックさん。モラレスさんは、イギリスのブランド「ヌヌード」の設立者だ。様々な肌の色やサイズに合わせたランジェリーや洋服、水着を扱っている。

マックさんは「ラブ・ディスフィギュア」というサイトを運営している。マックさんの体には、幼い頃に受けた火傷のあとがある。メディアやポップカルチャーで、火傷のあとや傷のある人たちのことが正しく伝えられていないと感じ、同サイトを立ち上げた。自分の体を大切に感じて欲しいというメッセージを伝えている。

マックさんとモラレスさんは、ブランドのお客さんやサイトのフォロワーに、抗議運動に参加しないかと呼びかけた。

ただし、抗議運動の目的は怒りをぶつけることではなく、多様性を訴えることだと伝えた。

多様性とは何か、人種や能力、目に見える傷、見えない傷を受け入れるとは何か。それを考えるきっかけにしたかった。

「ネットで目にする美しい体の基準は、たった一つだけ。そんな"完璧な体"に、もううんざりしているんです」とマックさんはハフポストに語る。

2017年の立ち上げ以来、ヌヌードは多様性とは何かを考え続け、それにあわせて扱う衣服も変わってきた、とモラレスさんはハフポストに語る。

「そのままの自分を好きになろう、と考える女性たちのために、彼らの肌の色に合わせた下着を売っています」

7人の女性を抗議運動へと動かしたのは、ファッション業界に対する反発だけではなく、自分の体をポジティブに捉えようとする考え方だ。

モラレスさんとマックさんに加わった5人の女性たちは、肌色も体型もそれぞれ。火傷のあとがある人もいれば、目に見えない障がいを持っている人もいる。強いメッセージを発する7人が、ヌードカラーの下着を着てヴィクトリアズ・シークレットの前に立つと、道行く人たちが集まった。

大勢の人たちが、彼らをサポートしてくれた。それを見て改めて、自分たちの抗議運動は重要な意味を持つと、モラリスさんは感じたという。

「小さな子供から高齢の女性まで、様々なバックグラウンドを持った人たちと話しました。『ありがとうございます』と感謝してくれた人もいれば、泣いていた人もいました」

「女性が自分を美しいと感じるのは、とても大切なことだと思っています。特に私のようなブランドのオーナーには、女性に美しいと感じてもらう責任があると思います。様々なサイズを作ることで、彼らを代表しなければいけないと感じています」

質問をする人たちの中には、涙を流す人もいた。
JORDAN SMITH
質問をする人たちの中には、涙を流す人もいた。
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ヴィクトリアズ・シークレットのように、サイズが限られているブランドもある。しかしヌヌードのような、様々なサイズや肌の色に合わせた衣服を扱っているブランドは、ファッションは全ての人のものであると伝える。そのファンやお客やモデルの中には、将来変化を起こす人もいるだろう。

モラレスさんとマックさんによると、抗議運動の前、7人はとても緊張していた。理由の一つは、ヴィクトリアズ・シークレットの店内で抗議運動を始めたことだった。 

「店内で服を脱いだ時は、すごく緊張していました。つまみ出されると思っていましたから。でも追い払われなかったので、下着で店内を歩き回りました」

「そしてお店を出て、私たちのことを撮影している人たちや、私たちに話しかけようとしている人たちに向き合いました。本当に素晴らしい日でした」とマックさんは振り返る。

ネガティブな発言も聞こえてきたが、マックさんとモラレスさんは、ポジティブな姿勢を貫き、見た目で人を判断しないことの大切さを力強く伝えた。

「参加した女性たちの中には、つらい経験をした人もいます。それを考えると、彼らが全ての女性のために、抗議運動に加わったことは、賞賛に値すると思います」

「『過去の経験や目に見える傷、見えない傷で、私たちは判断されるべきじゃない』。そのメッセージを伝えるために、私たちは立ち上がったのです」

ハフポストUS版の記事を翻訳しました。