「ダルビッシュすら為す術なし」地元紙、レンジャーズ崩壊ぶりを嘆く

現地9日、敵地ミニッツメイド・パークでのアストロズ戦に先発したレンジャーズのダルビッシュ有。オールスター明けは3試合で防御率2.16と好調だったが、この日は5回途中6失点の乱調で今季7敗目を喫した。まず初回、1番のロビー・グロスマンに11球粘られた末にフォアボールを与えた。これで出端を挫かれたダルビッシュは、2アウトからジョン・シングルトンにタイムリーを許すなど2失点。序盤から劣勢に立たされた。

現地9日、敵地ミニッツメイド・パークでのアストロズ戦に先発したレンジャーズのダルビッシュ有。オールスター明けは3試合で防御率2.16と好調だったが、この日は5回途中6失点の乱調で今季7敗目を喫した。

まず初回、1番のロビー・グロスマンに11球粘られた末にフォアボールを与えた。これで出端を挫かれたダルビッシュは、2アウトからジョン・シングルトンにタイムリーを許すなど2失点。序盤から劣勢に立たされた。

2回から4回はランナーを出しながらも5三振を奪ってしのいだが、4回終了時点で球数は90球に到達。そして5回、先頭から打者5人全てに出塁を許し、アウトをひとつも取れず降板。結局、ダルビッシュにはこのイニング4失点が記録され、試合は3-8でレンジャーズが敗れた。

「速球の制球が悪く、変化球も切れてなかった。悪いときもある」とダルビッシュ。ロン・ワシントン監督も「ダルビッシュも人間だ。不調の時もある」とコメントした。

一方、勝利したアストロズのボー・ポーター監督は「グロスマンの初回の打席が今夜の流れを作ってくれた」と、初回にダルビッシュから11球粘って出塁したリードオフマンを絶賛した。「あの打席を見て、他の選手たちも次々とクオリティ・アットバット(質の高い打席)を続けたんだ」。

アストロズ打線はこの日、ダルビッシュに113球を投げさせて、僅か12のアウトしか献上せず、右腕をマウンドから引きずり下ろした。初回を含めこの日3得点を挙げたグロスマンは「ダルビッシュはどう見ても素晴らしいピッチャーだ。球数を多く投げさせればチャンスが増える」と振り返った。

昨年4月には、ここミニッツメイド・パークで「あと一人で完全試合」の快投も披露したダルビッシュ。通算3試合に登板して負けなしと相性が良い球場だった。MLB公式サイトは「ダルビッシュは乱調で(ミニッツメイド・パークでの)不敗神話は途切れた」と報じた(MLB.com)。

この日の敗戦で、メジャーワーストタイの今季71敗目に達したレンジャーズ。エースのダルビッシュが登板した最近10試合でも、チームは3勝7敗だ。その間、ダルビッシュ自身も防御率4.42と、決して本来のピッチングができてはいない。地元紙『ダラス・モーニング・ニュース』は「たとえダルビッシュがマウンドに上がっても、レンジャーズはもはやなす術なし」と、チームの崩壊ぶりを嘆いた(The Dallas Morning News)。

さて、この試合でひとり気を吐いたのレンジャーズの選手が、1番打者のチュ・シンス。7年総額約130億円の大型契約でレンジャーズに加入したチュは今年、故障のため指名打者での出場が増えており、打撃成績も低迷しているが、この日はキャリアハイの4安打を放つ活躍。4本目のヒットはメジャー通算1000本目となる節目の一打だった。

「メジャーリーグに来たとき、1000本も安打を打つなんて考えたこともなかった」とチュ。18歳で韓国から渡米し、マイナーリーグから這い上がりメジャーを代表する選手になったベテランは、流暢な英語でしみじみと振り返った。

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スポカルラボ

MLBをはじめ海外スポーツに精通した英日翻訳ライター3人による メディアコンテンツ制作ユニット。スポーツが持つ多用な魅力を独自 の切り口で表現し、人生の選択肢はたったの一つや二つではない、 多様なライフスタイルを促進することをミッションに掲げて活動中。 Facebook→スポカルラボ

(2014年8月11日「MLBコラム」より転載)

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