ニコ生「クールジャパンを斬る!!」それでもクールか!? 二回目の放送「アウトバウンド」の巻です。
慶應義塾大学メディアデザイン研究科(KMD)のポリシープロジェクト、略して「ポリプロ」がお届けするニコ生、学生が運営しています。今回は手作りの会場、私が所属する融合研究所のオフィスです。
ご出演は、やまもといちろうさん(イレギュラーズアンドパートナーズ代表取締役)、竹内宏彰さん(株式会社テイク・ワイ)、青木美沙子さん(日本ロリータ協会会長)。
日々のニュースに多角的な意見で斬りこんでいるやまもといちろうさんと、アニメ界の敏腕プロデューサー竹内さんは、クールジャパン政策やポップカルチャー政策への態度が対極。イケイケの竹内さんとアンチのやまもとさんによる明快なバトルがステキです。
カワイイ大使、青木さんがいちめんお花畑の風情をただよわせ、その間でぼくがボーッと役立たず。
「日本はクールなのか?」「政府は何をすべきなのか?」8回に分けて文字にします。
ただし。このニコ生のライブ感は文字にすることには限界がありまして。出演いただいた3名の意図が正しく反映できていない面はあります。すみません。ライブ感が気になる方は、コチラをどうぞ。
中村
前回はクールジャパンの総論ということで、稲田朋美クールジャパン戦略担当大臣とホリプロの堀社長=音事協の会長という政府と民間のドンにお話をいただいたんです。その時はクールジャパンに対する期待と課題だとか、政府な何をすべきで、何をすべきでないのかということを議論いただいたのですが、今回は「アウトバウンド」、海外に何を持っていけばいいのかということです。
そもそも日本はクールなのかということです。日本はよくクールだと言われてますが、それは本当なのかと。
竹内さん
めちゃめちゃクールだと思います。仕事柄20年くらい前から海外にアニメを持っていって売り歩いていますが、その当時からアメリカやヨーロッパでは日本のアニメや漫画は、一部の見ている人たちがカッコいいと言っていて、今もその流れは続いている。
中村
でも、自分でクールって言うなって声は結構ある。
やまもとさん
そうなんです。俺カッコいい、って言う自画自賛なっちゃうじゃないですか。おかしいですよね。てめーで俺クールでしょって言わなくたって、他の人にクールだって言われれば良い話で、なんで自分からクールって言っちゃうんですか。
竹内さん
僕は自分がクールなのではなく、アニメ作品がクールだと言っているわけで、僕が本当にこう、すかした感じで「ジャパンアニメーション、クールでしょ!」って言ったら、「そりゃお前自分で言うな」ってなりますけど、こんな暑苦しい汗かき男がクールでしょって
やまもとさん
でも、「俺がプロデュースしたアニメ、クールでしょ」って自分で言うのも変でしょ?
竹内さん
それは微妙にあるんですが、もっとクールなアニメを先輩方がプロデュースしたんで、そこに負けたくないという思いでやってるって感じです。
中村
青木さんはクールジャパンはどう受け止めてるんですか?
青木さん
私もカワイイ大使で外国を廻っていて、海外で日本のファッションは人気があると感じます。クールというか、カワイイと思います。
やまもとさん
カワイイ大使と言われることについて、ご自身では違和感ないですか?辛くないですか?
青木さん
違和感ありますよ。自分がカワイイと言ってまわっているようなものじゃないですか。すごい恥ずかしいですが、一方的に言われて就任したので。
中村
これから何を売っていくべきなのかというのを番組をアンケートをとっていただきましょう。
○ユーザーアンケート:クールジャパンで何を最も売り出すべきですか。
四つの選択肢からお答えください。
1コンテンツ
2ファッション
3フード
4サービス
中村
コンテンツは漫画や音楽、ファッションはロリータやコスプレ、フードは日本食、サービスは接客とか「お・も・て・な・し」ということですね。
これまでの日本のイメージと言えばトヨタ、ホンダやソニーとかの製造業でしたけど、これらはクールジャパンですかね?
やまもとさん
自分たちでクールだとは言わないですよね。この海外から日本製品イイねとは言われることはあっても。
竹内さん
でも昔から日本のウォークマンとか、車ってカッコいいっていわれてましたよね。
やまもとさん
プロダクトと日本のイメージが紐づいて、プロダクトを支持する海外の人が「日本はすごい」という話をしているというのはありましたね。未だに韓国製が日本製だと思われたりするわけですよ。
中村
さて、アンケートの結果です。
1番目がコンテンツ、2番目はサービス、3番がフード、4番目はファッション。
番組を見ている人はコンテンツに期待しているみたいです。
この順番で議論をしていきましょうか。
つづく
(2014年2月11日「中村伊知哉Blog」より転載)