『バーチャルKimonoミュージアム』というものを考えていると、ブログに書いたのは2013年の3月30日であった。
古い着物(kimono)を、毎日のように手にして写真を撮りその魅力を伝える仕事をしていると、ただただその着物たちが自分の目の前を通り過ぎていくのは残念だなと思っていた。
たくさんの素晴らしいコレクターがおられる中で、いまさら自分でコレクションをしても無力だ。
だが・・・
素晴らしい着物たちの画像や情報は、あちこちに散らばっていて、どこかでまとめて見ることができる場所や本やウェッブは存在しない。
では、ネットに『バーチャルKimonoミュージアム』という場所をつくれたら、どうだろう?
その場所に、着物ファンの方やアンティーク着物、アンティークテキスタイルのコレクターが、それぞれのコレクションを持ち寄ればどうだろうか?
そこに見に行けばありとあらゆる着物(kimono)の素晴らしさを見ることができれば、これほど素晴らしいことはないのではないだろうか?
そうすれば、個人のウェッブページや本よりもずっと厚みをもってその魅力を伝えることができるのではないだろうか?
そこで、研究者やコレクターの意見なども交換されれば、お互いの知識も深まるのではないだろうか?
そういう場所ができて、それを英語をはじめ多言語でも見れるようにしたらどうだろうか(僕らが海外にも販売しているように)?
世界中の人がそこで着物(kimono)の素晴らしさに触れ、また世界中のデザイナーがそこをインスピレーションを得る場所にしてくれれば、これほどワクワクすることはないのではないだろうか?
しかも、大正頃の着物はそろそろ100年で、ものによっては絹の寿命がつきはじめている。せめて、いまのうちに、画像だけでも残したほうが良いのではないだろうか?
しかし、本来そういう仕事は、僕らのような個人の販売業者がやることだろうか?
国がやるべきことじゃないのか?
だが、美術のヒエラルキーのなかで、実用品でもある着物(kimono)の地位は低い。 いくら叫んでも、国は動いてくれそうにない。
ならば、僕らのようなもの、その仕事がもっとも低い労力でやれるものが始めるしかないのではないだろうか。
100年後の人のために。
そして、僕らの意志に賛同してくれる人が集い、そのサイトの価値を誰もが認めるようなものになった時、それを国に移管させてもらう。
そのように望んで、道を進むほかないのではないだろうか。
そんな思いに、仲間のひとり、守屋祐史さんが賛同してくれた。
守屋さんは、強力な販売業者でもあり、Shinei、QPという有名サイトをつくりあげてきた人であり、この業界で知らない人はいない。
最近ではとくに海外向けの販売に力をいれておられ、おそらくebayなどでの日本の骨董、着物販売では日本一の売上をあげておられるはずである。
正直に書く。
彼は10年前はたしかにライバルであったが、その実行力、スケール、スピード、覚悟、すべてにおいて及ばず、いまでははるか遠くに行ってしまった。
僕はその背中を遠くに仰ぎ見ながら歩いている。
そんな守屋さんだから、この仕事でも彼がトップになってもらうほうが、絶対に早期にスケールアップできる。
僕らはNPOをつくり、そんな理由で守屋さんには理事長になってもらった。
このページは、僕の会社がここ2年の間に集めたアンティーク着物の逸品をkimono-archiveに掲出したものである。(このページから僕の顔写真<眼鏡をかけたおっさんー汗>をクリックしてもらえれば見れる)
一度見ていただきたいが、こんな風なコレクションがたくさんこのKimono-archiveに集まってくれば、素晴らしい場所となると思うのだがどうだろうか?
企画意図に賛同していただけるようであれば、ぜひ、サイトに登録して参加して欲しい。
自分のコレクションの画像をアップする。
登録された着物について評価するだけでもよい。
もし、本格的にこの活動に賛同してくださるなら、協賛会員になっていただけると嬉しい。
長くなるので、今日はここまでにしたいが、一言だけお詫びを。本来、これだけのシステムをつくるには相当なお金がかかる。
NPOの枠組みであまり持ち出しをせずにやらなければならないので、オープンにこぎつけたとはいえ、システムは、まだまだ、不便なところも多い。(現在、スマホサイトはうまく動かないところがあります)
できる範囲で徐々に手を加えていきたいと思っているので、そのあたりはご容赦願えたらと思う。
不備、不便な点、改善要望など、どんどんお聞かせいただければ嬉しい。
★★ご賛同いただけましたら、ぜひ、ご参加、拡散、よろしくお願いします!
(2015年12月4日「ICHIROYAのブログ」より転載)