うちの会社は20人強の小さな所帯で、自分で始めたものだから、チームのルールや組織を僕が一から決めることができる。
お客様には最高のサービスが提供できるよう、かつ、働いてくれている人が、なるべく仕事を楽しんでくれるよう(少なくとも、苦痛な時間ではなく、働く意義が実感でき、充実感が感じられるような)職場でありたいと思っている。
10年以上やってきて、まだまだ試行錯誤中だ。
それぞれの事情や環境があるので、チームのあり方にはたったひとつの公式はないのだろうけれど、共通する心理学みたいなものもありそうだなとぼんやりと考えてはいる。
いつも読ませて頂いているGeoffrey Jamesさんが、「チームに関する驚くべき10に科学的事実」という最新記事を書かれていて、興味深く読ませていただいた。
この記事に挙げられている項目はJamesさんのオリジナルではなく 「Team Genius: The New Science of High-Performing Organizations」という最近発行された本から紹介されている。
作者: Rich Karlgaard,Michael S. Malone
出版社/メーカー: HarperBusiness
Jamesさんのまとめによる10の事実とは
1.理想的なチームのサイズは5人から9人
2.「いい雰囲気」はチームの生産性を下げる
3.チームに所属していることがオキシトシンを分泌させる(オキシトシンは良好な対人関係が築かれているときに分泌され、闘争欲や遁走欲、恐怖心を減少させる~WIKIより)
4.もっとも能率的なチームにはリーダーは不要
5.しかし、能率的なチームにリーダーは必要
6.小さなチームはひとりの天才を凌駕する
7.チーム内の摩擦は避けられない
8.チーム内で男性が少数派の時、男性は充分にチームに貢献できない。反対の場合はそうでもない。
9. 年齢幅のあるチームは若い人だけのチームを凌駕する
10. バーチャルなチームの効果は過大視されている
4と5は背反しているが、Jamesさんの記事の流れでは、
・考え方や背景や年齢などの似通った人によるチームは摩擦も少なくチームの和が保たれる
・そいう場合、誰かひとりが決定権をもつよりも、メンバー全員が等しく自分の意見を述べるような雰囲気でものごとを決めていくほうが良い(4)
・だが、そういったものが異なる人たちが集うチームのほうが、摩擦はあったとしても、より生産性が高い。
・そういったチームが成り立っていくためには、摩擦を解消するためにフルタイムで働くマネージャーが必須である(5)
ということになっている。
Jamesさんのまとめは簡潔でわかりやすい。
そういえば、僕も、チーム内の摩擦にうんざりすることがあり、そういったことがなくなれば、僕の気持ちは安らかになり、他のやるべきことに集中できるのにな、と思うことがある。
しかし、そういう摩擦は、チームの生産性の向上のためには不可欠なもので、摩擦を避けて成長することは、きっとできないのだろう。
原著を読んでみようか・・・
いや、翻訳して欲しいな。
(2015年8月1日「ICHIROYAのブログ」より転載)