大相撲初場所は、第69代横綱白鵬が13日目で歴代単独1位となる33回目の優勝を決めた。併せて自身2度目の5連覇(第48代横綱大鵬以来2人目)、現在(2代目)の両国国技館で本場所開催となってからは、こちらも歴代単独1位となる16回目の優勝をそれぞれ記録した。
白鵬の最多優勝記録更新について、私は「祝福」よりも13日目で決まってしまったことに「落胆」した。
■立ち合いの張り差しはいかがなものか
近年、白鵬の土俵マナーに苦言を呈する者が多い。ダメ押しや懸賞金の取り方などだ。私は横綱推挙後から、立ち合いの張り差しに疑問を持つ。今場所13日目の大関稀勢の里戦もそうだった(このときは、両者同体のため取り直し)。
「張り差し」と言うのは、立ち合いに対戦相手のほほを張ったあと、すぐにまわし(上手か下手)をつかむ行為で、反則ではない。しかし、横綱には「品格」が求められる。"横綱の張り差しや張り手"と言うのは、好ましい行為ではない。張り差しにいくなら、最初から対戦相手のまわしを狙わないと。
■下位力士は奇策を
白鵬がハイペースで優勝記録を更新できたのは、ライバルや「打倒白鵬」と闘志を燃やす力士がほとんどいないからだ。本来ならば「上位」であるはずの大関も下位力士に見えてしまう。第70代横綱日馬富士や第71代横綱鶴竜の大関時代は、8勝や9勝で終わる場所も多かった。
関脇以下の力士は、「立ち合いに変化をする」、「けたぐりをする」、「張り手をする」、「足を掛ける(外掛け、内掛けなど)」など、"横綱に勝ちにいく姿勢"がほしい。「打倒白鵬」を宣言してもいい。大相撲人気が再燃しているとはいえ、ファンが1番見たいのは「白鵬独走」ではなく、「日本出身力士の優勝」なのだから(NHKでは、モンゴル出身の旭天鵬が日本国籍取得後に優勝したので、アナウンサーは「日本人力士」という言葉が使えない)。
■今後の注目は、別の記録更新ではない
白鵬、日馬富士、鶴竜は日本国籍を取得しておらず、引退後は協会(公益財団法人日本相撲協会)に残れない。特に日馬富士、鶴竜は、自国籍の女性と身を固めたので、家族そろって日本国籍を取得するとは考えにくい。
一方、白鵬は日本人女性と結婚し、子宝にも恵まれている。年寄(親方)として協会に残るには、日本国籍の取得しかない。すでに法務局に「帰化許可申請」しているかもしれないが。