「東京駅開業100周年記念Suica」の大ヒットで、同業他社に影響を与えるか?

「東京駅開業100周年記念Suica」の購入枚数が約170万枚だという。"「ミリオンセラー」という名の大ヒット"となった要因を挙げておきたい。

■ミリオンセラーの要因

JR東日本によると、2015年1月30日より申込受付を開始した「東京駅開業100周年記念Suica」の購入枚数が約170万枚だという

"「ミリオンセラー」という名の大ヒット"となった要因を挙げておきたい。

1.話題性

「東京駅開業100周年記念Suica」は、限定15,000枚で東京駅のみ発売したが、JR東日本が販売中止の事態を重く受け止め「限定」を解除。インターネットや郵送で申し込めば、どなたでも購入できる英断をした。

2. 交通系ICカードの全国相互利用サービス

Suicaは2001年11月18日に首都圏から始まった。パスケースから取り出す必要もなく、繰り返し何度も使える使い勝手の良さがあり、徐々に普及してゆく。その後、エリア拡大や同業他社も交通系ICカードを導入した。さらに「SuicaとICOCA」、「SuicaとPASMO」といった相互利用も始まった。

2013年3月23日からSuica、PASMO 、Kitaca、manaca、TOICA、PiTaPa、ICOCA、はやかけん、nimoca、SUGOCAの全国相互利用サービスを開始。自動改札機にタッチできるほか、JRグループの近距離用券売機で、自由席特急券なども購入できる。磁気式プリペイドカードに比べ、利便性を大幅に向上させた(注、近距離用券売機でも、自由席特急券などが購入できない駅あり)。

「東京駅開業100周年記念Suica」は、上記エリアで利用できるので、北海道、四国、九州などにお住まいの方も気軽に申し込める。

■同業他社に影響を与えるか?

関東地方では、Suica、PASMOの登場により、磁気式プリペイドカード(オレンジカード、イオカード、パスネット)が急激に衰退した。大手私鉄の場合、記念乗車券もパスネットでの発売がなくなった。

例えば、東京メトロでは1日乗車券(磁気券)、東武鉄道などでは硬券に変化した。交通系ICカードより製作費が安いこと(必然的に限定販売となる)、自動改札機で「ICカード+パスネット」の併用ができず、混乱を避けるためと考えられる。

今回の「東京駅開業100周年記念Suica」は、空前絶後の大ヒットとなった。同業他社も"次の記念乗車券は交通系ICカードにして、インターネットや郵送の受付もしよう"という動きが出るかもしれない。価格も「デポジット(預り金500円)のみ」、「500円+デポジット」など、通常版(1枚2,000円。定期券機能なし)とは異なった売り方をしてもいい。

Yahoo!ニュース個人より転載)

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