「世界革新企業トップ100」で日本が示した知財力

トムソン・ロイターが保有する特許データを基に知財動向を分析し、世界の革新企業/機関トップ100を選出する『Top100 グローバル・イノベーター』の2014年が発表されました。

トムソン・ロイターが保有する特許データを基に知財動向を分析し、世界の革新企業/機関トップ100を選出する『Top100 グローバル・イノベーター』の2014年が発表されました。なんと日本の企業がランクイン数で昨年よりも11社増えて39社となり、過去3年間首位だった米国を抜き、世界最多に躍り出ています。特許出願数だけでなく、成功率としての登録数や、他の企業が引用するなどの影響の広がりなども加味した評価なので、知財力のランキングだといえるのかもしれません。

もちろん、イノベーションは技術だけで起こってくるのでなく、ビジネスの仕組みの革新によるところも大きいとしても、研究開発の成果が競争力や成長力、また収益力の基礎として効いてきます。

ロイターによれば、Top100の選出された企業や機関は、研究開発への投資に積極的で、他の上場企業よりも伸びが大きく、また売上高の伸びも上回っており、経済成長を牽引しているとしています。

しかし、現実は、日本はメーカーの研究開発力、知財力では秀でていても、長年、今ひとつ芳しくない経済状態がつづいています。

研究開発以外のイノベーション力や新しいコンセプト、また新しい市場の創造力が問われているのでしょう。特にサービス業でのイノベーション力が求められているのだと思います。

ただ今回受賞した企業の多くは、経営も積極性を感じ、グローバル市場でのマーケティングでも成功している企業がほとんどです。

ソニーが受賞していることは意外ですが、最終製品ではもはや独創的な商品、新しいコンセプトを生み出す能力がなくなっても、画像センサーなどの分野ではいまなお高い技術力を維持しているということでしょう。あとは経営力次第ということでしょう。

Top100国別分布

中国からも初めて「華為(ファーウェイ)」が入り、韓国4社、台湾2社を合わせると、アジア企業が46社となり、アジア企業の躍進もうかがえます。

(2014年11月7日「大西 宏のマーケティング・エッセンス」より転載)

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