ということで、育休中は給料が半減する状態から、2/3まで補償されるようになるらしいです。
これは男性の育休取得、という観点から言うと、かなり嬉しいです。
給料が半分になるとしんどいけど、3分の1減るくらいなら、取りたかった育休取ろうぜ、となっていくでしょう。(ある程度)
でも更に育休を取得しやすくなる方法があるの、知ってます?
それが「半育休」制度の導入です。
と言っても僕のオリジナルなアイディアなんかじゃありません。
育休先進国、スウェーデンで導入されている制度。
どういうことかと言うと、1日のうち半分育休取って、半分出勤、なんてことができる制度なんです。
だから「半育休」。しかも半分だけじゃなくて、1/4とか、1/8とか、そういう取り方もできる。
しかも働いた分+休んだ時間に補償率を掛けた分は、もらえちゃうわけです。
日本の場合、育休はもうゼロか1。
取るか取らないか。職場から完全にいなくなるか、ずっといるか。
完全にいなくならなきゃいけない、っていうのは中々ハードルが高くて、代わりを用意できない。
企業とかは無言の「休むなよ、休んだら出世はないよ」プレッシャーとかかけてきて、男性はそれに負けてしまうわけです。
でも例えば、1日のうち3時間だけ家で仕事して、後は子どもの面倒を見れる、っていうことであれば、自分のコアな仕事(そして家でできるもの)だけ切り離して、後は仲間に分担してもらう、っていうこともしやすくなります。
なぜ僕がこれを推すかと言うと、実は僕自身がこの「半育休」を実践したから。
僕は3歳の娘と0歳の息子がいるのですが、それぞれ2ヶ月ずつ育休を取りました。
社員数180人弱のベンチャーNPO創業者(で経営者)が2ヶ月いなくなるって、正直常識外です。
スピードの速い経営をしなくちゃいけないのに、2ヶ月機能しなくて、回るわけ?と誰もが思います。
でも回った。どうやってやったかと言いますと、1日平均1.5時間、家で仕事してたのです。
メールにすると5〜8通くらい、本当にクリティカルなものだけ返信しました。
週に一回、ミーティングを1回、Skypeでやりました。
経営のコアの部分だけやって、後はCOO(事務局長)とマネージャ達に任せたわけです。
それじゃ育休じゃないじゃん、というツッコミはあろうかと思います。
それには「まぁ、日本の定義ならな」と答えたいです。
要は、子どもが生まれたばかりで、てんやわんや(でも超大事)な時に、妻と共に育児に全力を尽くし、向き合うこと。
これが大事なわけです。そこから妻とのチーム意識、家事育児への主体性、子どもへの心からの愛情、そうしたものが得られていくわけです。
何もラマダーンよろしく、絶対に仕事には1ミリも関わっちゃいけない、なんて誰も決めてないわけで。
人によって1日1.5時間メール見ても良いし、6時間働いて、16時に帰って来て妻の代わりに毎日夕ご飯作るのだって良い。
皆違って皆良い(みつを)的な育休が取れるようになれば、日本の男性育休取得率も上がるはず。
そんなわけで、政府にはこう言いたいです。
「補償率増強、グッジョブです。次は『半育休』いってみましょー!」
(この記事は駒崎弘樹公式ブログに掲載された10月29日付記事の転載です)