■中途半端は許さない
12月31日夜の『紅白歌合戦』。出場歌手の中に、小泉今日子も能年玲奈も入っていない。おそらく紅組応援という形か何かで『あまちゃん』出演者たちが"サプライズ出演"し、勢揃いするのだろう。
週刊誌などを読んでみると、NHKとしては「歌手」としての出演を拒んだ小泉今日子を担ぎ出すために、彼女と仲が良い泉谷しげるを初出場させた、というもっともらしい記事が書かれている。コトの真偽は分からないが、『紅白』の制作者たちが『あまちゃん』をどうやって番組に取り込むかに苦心していることは想像に難くない。『紅白』に『あまちゃん』のコーナーが挿入され、それなりのボリュームで放送されるのは間違いないだろう。
ただ、『あまちゃん』の熱心な視聴者として言わせていただくなら、ドラマの放送が終わって3ヶ月ぶりだ。生放送で『あまちゃん』の世界に再会したいという期待は熱い。その期待を裏切らないためにも「中途半端」な形は許されない。具体的にいうなら、出演者たちが応援団として顔を見せて「フレーフレー紅組!」などとやるとか、歌うにしても「潮騒のメモリー」1曲だけ、などということは断じてあってはならない。『あまちゃん』コーナーは徹底的にやってほしい。中途半端だったら許さないぞ。
そこで、ファンが満足する『あまちゃん』コーナーはどんな形かを考えてみた。
■エアー紅白『あまちゃん』コーナー
出だしはやっぱり、若い"潮騒のメモリーズ"の2人でしょう!
「潮騒のメモリー」
("潮騒のメモリーズ"こと、能年玲奈、橋本愛)
「暦の上ではディセンバー」
(「果てしなく・・・」をアカペラで古田新太と能年玲奈で)
「地元へ帰ろう」
(GMT47+能年玲奈)
この辺で、宮藤官九郎と大友良英に登場してもらってトーク。一曲やってもらっても良い。
「潮騒のメモリー」
(小泉今日子)*有村架純もステージにいてほしい。
「南部ダイバー」(=北三陸高校潜水土木科の歌。能年玲奈、福士蒼汰、皆川猿時)
「いつでも夢を」
(橋幸夫、宮本信子のデュエット→後半、渡辺えり、木野花、片桐はいり、美保純の「海女」ガールズも参加)
で、やっぱり締めくくりはこの人しかない。
「潮騒のメモリー」
(薬師丸ひろ子)
最後に松尾スズキが出て「熱いよね」と語る。
笑いを取って終了。
■これで年間最高視聴率を狙える!
展開を想像するだけで涙が出てきてしまうのは、筆者だけではないだろう。きっと。
自分なりに泣けるバージョンを想像してみると「潮騒のメモリー」の3連発も良いかも。
能年玲奈・橋本愛→小泉今日子→薬師丸ひろ子、という流れも悪くない。
それにしても今年の『紅白』は、毎年同じ曲を歌っている出場歌手はフルコーラスじゃなく1コーラスにても良いから、『あまちゃん』コーナーだけで30分くらい確保したい。
視聴率は上がるし、絶対に泣ける。
一部の報道によると、NHKの関係者はTBS『半沢直樹』が記録した42・2%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)の視聴率をすごく意識している、という。
年間の視聴率でドラマに負けることがあってはならないというプレッシャーにさらされているらしい。
だったら、なおのこと、この提言を聞いてほしい。絶対に、感動とともに数字を取るから。
■『あまちゃん』コーナーは3元中継で
単に『あまちゃん』の出演者がNHKホールに登場するだけでなく、ロケ地からの生中継も入れてほしい。
岩手県北三陸の「海女カフェ」(小泉今日子、薬師丸ひろ子)。「お座敷列車」の車内(能年玲奈、橋本愛)、東京・上野のGMTの本拠地「東京EDOシアター」(GMT6と古田新太)。
この3か所から3元中継をするのだ。
NHKホールは、宮本信子と橋幸夫、渡辺えりを始めとする海女ガールズ、という配置が良いだろう。
これを「紅白歌合戦」でやってこそ、被災地に寄り添う姿勢も見せられる。
「生」の放送で、「潮騒のメモリー」を出演者と視聴者が共有する。
一緒に歌う。
これこそ、大震災から2年半たった今の時点でテレビができることだ。
白々しい「花は咲く」よりも何百倍も大勢の人たちの心に響くはずだ。
もちろん、このコーナー全体の演出は『あまちゃん』の井上剛ディレクター。
台本は宮藤官九郎。
今年の紅白は、メドレー曲を歌うアーティストが11組もいて、史上最多だという。
AKB48 「紅白2013SP~AKB48フェスティバル!~」
きゃりーぱみゅぱみゅ 「紅白2013きゃりーぱみゅぱみゅメドレー」
ももいろクローバーZ 「ももいろ紅白2013だZ!!」
嵐 「New Year's Eve Medley 2013」
関ジャニ∞ 「紅白2度目! 呼ばれて飛び出てじぇじぇじぇじぇ!!」
などなど・・・。
「音楽の記憶」というものが分散化・希薄化し、1つの曲で、その1年を振り返る、ということが人気アーティストにとってさえも難しい時代になっている。
だとすれば、2013年に「音楽の記憶」を刻んだのは、なんといっても『あまちゃん』だ。
上記の通り、やり遂げたら、2013年の『紅白』は歴史に名を残す。
そのくらい思い切ったサプライズ、たまにはやってほしいな。
(この記事は、12月22日のYahoo!ニュース個人『紅白歌合戦の『あまちゃん』コーナー "視聴者が満足する展開"予想図』から転載しました)