レッドソックスのルチアーノCEOが口を開く
ヤンキースが田中将大投手(25)を7年総額1億5500万ドル(約163億円)で獲得し、全米の話題をさらった。ただ、他球団の中には、これを白い目で見ている人間もいる。王座奪還を目指し、なりふり構わぬ補強を続けているヤンキースに、宿敵レッドソックスのラリー・ルチアーノ経営最高責任者(CEO)は「金でタイトルは買えない」と痛烈な批判を浴びせた。米紙ニューヨーク・ポストが報じている。
ルチアーノCEOは、今オフのヤンキースの大盤振る舞いに驚いてはいないという。「私の感覚では、『バック・トゥ・ザ・フューチャー』のようなものだよ。この映画は以前にも見たことがある」と超ヒット作を引き合いに出して、あきれ顔で話した。
ヤンキースは今オフに大型補強を敢行。田中と契約する前には、カルロス・ベルトラン、ブライアン・マッキャンだけでなく、レッドソックスをFAとなったジャコビー・エルズベリーも獲得した。すべて合計した補強費は約5億ドル(約525億円)となっている。これは、2008年オフにCC・サバシア、マーク・テシェーラ、A・J・バーネットを獲得したときを上回る額だとされている。5年前も今回と同じようにプレーオフ進出を逃した直後の大補強だった。
レッドソックスは昨年、ヤンキースを圧倒して地区制覇を成し遂げ、世界一までたどり着いた。ルチアーノCEOは話す。「(ヤンキースが獲得した)選手は(2008年と)違うね。それは分かっているよ。ただ、ヤンキースとのライバル関係が再び燃え上がることに問題はない」。熾烈な優勝争いも望むところか。「ライバルが強くなることについて、私は肯定的だ。それが彼らに大きなアドバンテージを与えない限りはね」。現在のレッドソックスの戦力に十分な自信を持っているからこそ、堂々と言い放った。
ロビンソン・カノがマリナーズに移籍し、マリアノ・リベラ、アンディ・ペティットは引退、アレックス・ロドリゲスは出場停止とヤンキースの戦力は大きく変わった。ルチアーノCEOは最後に独特の表現でヤンキースについて語っている。
「彼らはどの球団とも違う味のするアイスクリームだ。今はドジャースも同じゲームプランを使っているけどね」
資金力豊富なレッドソックスではあるが、ヤンキースやドジャースのように金にモノを言わせ、チームを補強する本当の金満球団とは違うということか。一昨年は地区最下位に沈みながら、昨季はツボを押さえた補強で世界一まで上りつめただけに、言葉には自信があふれていた。
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(2014年1月25日フルカウント「【米国はこう見ている】マー君獲得のヤンキースをライバル球団が痛烈批判 「金でタイトルは買えない」」より転載)