ヤンキースの田中将大投手が新人王ランキングで首位を独走している。ESPNが「ルーキーランキング タナカが圧倒的」という特集を組み、レッズやナショナルズでかつて強化責任者を務めたジム・ボウデン氏が、実力者の揃う今季のルーキーの格付けを行った。
■田中は"新人王ランキング"と"FA移籍選手の価値"両方でトップ
ヤンキースの田中将大投手が新人王ランキングで首位を独走している。ESPNが「ルーキーランキング タナカが圧倒的」という特集を組み、レッズやナショナルズでかつて強化責任者を務めたジム・ボウデン氏が、実力者の揃う今季のルーキーの格付けを行った。その中で、衝撃的な活躍を続けている田中は首位に選ばれている。
特集では日本人右腕について「もしも、今季が今日終われば、タナカはア・リーグのサイ・ヤング賞と新人王をダブル受賞するだろう。このレベルでのピッチングを続ければ、オールスターで先発するはず。田中は輝きを放ち続けている。彼の高速のスプリットはすでに球界で最高だ。スプリット以外のボールは相当過小評価されているが、制球も最高だ」と伝えている。
メジャートップの11勝(1敗)、リーグトップの防御率1・99という成績を残している田中に対する評価は絶大だ。三振の山を築く宝刀のスプリットは球界最高との評価。また、「昨シーズンの"FA移籍選手の価値"という観点でも、田中はトップ」とし、田中に次ぐ存在として今季7勝3敗で防御率2・39のジャイアンツ右腕ティム・ハドソンと今季ア・リーグ2位の22本塁打をマークしているオリオールズのネルソン・クルーズの名前が挙がっている。
田中の最大のライバルは、ホセ・アブレイユ
2位はホワイトソックスのホセ・アブレイユ一塁手。27歳のキューバ人強打者は20日時点で打率2割6分8厘、21本塁打、54打点。新人王というカテゴリーでは、田中の最大のライバルと目されている。「メジャーは新たな表彰を新設する必要がある。両リーグに新人王の投手部門と野手部門があるべきだ。なぜなら、アブレイユがリーグMVPに輝きながら、新人王では田中に敗れるという事態は想像に難くない」とも伝えている。
また、今季の新人選手の活躍から、「サイ・ヤング賞とMVPという賞が存在する以上、ルーキーも同じ扱いにすべきだ」と指摘。アブレイユについて「インパクトを与える選手で近年なら新人王を獲得していただろうが、タナカがいる。アブレイユは2位に留まるしかない」とも分析している。
3位に入っているのはアストロズのジョージ・スプリンガー外野手。打率2割4分7厘で13本塁打、38打点。田中とアブレイユの数字には見劣りするが、「タナカとアブレイユが日本とキューバでのキャリアを持つために、ルーキーと呼ぶべきでないと主張する人には、スプリンガーが新人王の最有力候補となる」と説明している。今季開幕後にマイナーから昇格したコネチカット州出身の24歳のアメリカ人ルーキーはアストロズ再建の大きな役割を果たすと見られている。
4位に入っているのは田中の同僚で、ヤンキースの中継ぎの星、デリン・ベタンセス投手。「8回を任せられるリリーフとしては球界最高の投手。オールスターにも出場するだろう」とボウデン氏は高く評価する。20日時点で、4勝0敗で防御率は1・50の右腕は近い将来、ヤンキースのクローザーとなる可能性も指摘されている。
5位はロイヤルズのドミニカ出身の23歳の右腕ヨーダノ・ベンチュラ。5勝5敗、防御率3・26で、ボウデン氏は後半戦でさらに活躍すると見ているようだ。また6位はレッドソックスのイグザンダー・ボガーツ内野手、7位はレッズのビリー・ハミルトン外野手、8位はタイガースのニック・カステラノス内野手、9位はレンジャーズのルーンド・オドール内野手、10位はマリナーズのロニエス・エリアス投手と続いている。
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(2014年6月21日「フルカウント」より転載)