全国重症心身障がい児デイサービス・ネットワーク(鈴木由夫代表、名古屋市)は7月5日、「重度の障がいを持った子どもたちの地域生活白書」を初めて発行した。民間の調査会社の協力を得て、重症児デイサービスの実態などをまとめた。
重度の身体障害と重度の知的障害の両方を持つ重症心身障害児が通う「重症児デイサービス」を広く知ってもらうことが狙い。同サービスは児童福祉法に基づく児童発達支援と放課後等デイサービスの一部のことで、全国に約500施設ある。
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重症児デイサービスは定員5人の小規模施設が多く、看護師、リハビリテーション専門職などを配置する。1対1で介助したり、たんの吸引など医療的なケアをしたりする。
白書は2015年10〜11月に121施設が回答したアンケートの結果を収録。9割は送迎を行っていること、土曜日営業は6割、日曜日営業は1割にとどまることなどをグラフで紹介している。
保護者アンケート(215人が回答)の結果では、重症児デイサービスを自らが立ち上げることに前向きな回答が4割に上った。白書は実際に立ち上げた母親のコメントを掲載し、「なければ創ればいい」と呼び掛けた。
厚生労働省発表の推計によると、在宅の重症心身障害児は全国で約2万9000人。14年11月に発足した同ネットワークは、全国130施設が参加している。重症児デイサービスの数が圧倒的に足りないとみている。
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白書に関する問い合わせは同ネットワーク事務局のNPO法人ふれあい名古屋(jim@jyuday.net)まで。
(2016年8月4日「福祉新聞」より転載)