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データ活用で食にイノベーションを起こす パナソニックと富士通の「共創プロジェクト」とは?

パナソニックと富士通が、スマート家電とクラウドを活用したイノベーションによって、便利で豊かな暮らしの実現を目指した共創プロジェクトをご紹介します。

パナソニックと富士通が、スマート家電とクラウドを活用したイノベーションによって、便利で豊かな暮らしの実現を目指した共創プロジェクトをご紹介します。

■ IoT(Internet of Things)の時代

人、情報に加えて車や家電などの多種多様なモノがつながるIoTの時代において、ビジネスや社会は新たな価値を持つことになります。人々のより豊かな暮らしの実現に向けて、ビジネスや社会のイノベーションを起こすためには、様々な情報をうまく活用することが鍵となります。

IoT(Internet of Things)とは

IoTとは、様々なモノをつないで新たなサービスを実現していく次世代のインターネットのことです。今回のプロジェクトでは、インターネットに繋がるスマート家電を活用して、新たな価値を創造する取り組みを実施しています。

■ 家電とクラウドを活用した食のイノベーション創出

スマート家電とクラウドを結びつけることで、家電ビジネスにイノベーションを起こす。そういったビジョンを共有することで、パナソニックと富士通は、単独では成し遂げられない新しい価値、B2Bのお客様に向けた新たなサービスの創造に挑戦しました。

今回着目したのは食関連企業のお客様。例えば、食品メーカー各社は年に何十種類もの新商品を市場に投入しますが、実際に生活者がどう商品を消費しているのかを把握することは困難でした。

スマート家電とクラウドサービスを組み合わせたら、食関連企業のお客様の課題を解決できるかもしれない。生活者の消費実態から新商品開発のヒントを得たり、生活者の使い方に応じて商品やサービスを改良できたりするのではないだろうか------。

「ビッグデータ解析のノウハウを持った富士通さんと協力することで、私たちだけでは提供できない新たな価値を、お客様に提供できるようになるのではないかと考えました」

(パナソニック株式会社 R&D本部 クラウドソリューションセンター 主任技師 久保谷氏)

■ モニターの「食」を読み解く

今回のプロジェクトでは、スマート家電の中でも電子レンジに着目。事前にデータ提供とデータ利用に許可をいただいたモニターの方々に、電子レンジと相性のよい冷凍食品の調理タイミングのデータを提供していただきました。

実験に使用したパナソニックの「NE-BS1100」

従来の食関連ビジネスにおいては、商品販売時のPOS(Point of Sales)情報がよく利用されてきました。今回のように、スマート家電対応の電子レンジとクラウドサービスを結びつけることで、モニターの方々が「いつ」「どんな時間帯に」「どの商品を調理しているか」というデータが得られるため、POU(Point of Use)情報を分析することができます。

冷凍食品のバーコードをスマートフォンの専用アプリで読み取ると、クラウド上のデータベースから適切な温め時間やワット数がダウンロードされます。モニターは、調理する個数/分量をアプリに入力して、レンジにスマートフォンをタッチ。これで、調理時刻や冷凍食品の種類、分量などの情報がクラウドに送信されます。今回の実験では、モニターの食事内容を詳しく調べるため、食卓写真も提供していただきました。

POU(Point of Use)情報とは

これまで生活者の食品の利用実態を得るために使われていた店舗の販売データPOS(Point of Sales)に加え、「いつ」「どのようなお客さまが」「何を」「何個」消費したかが分かるPOU(Point of Use)情報を利用する事で、家庭内での調理実態まで追うことができます。

■ データが生み出した新たな価値

モニターの方から寄せられた情報の分析をするために、富士通はクラウドをベースにした「コンバージェンスサービス」を提供しています。「コンバージェンスサービス」とは、ビッグデータ解析を始めとした、大量のセンシングデータから人々にとって有益な知見を導き出すサービスの総称で、ハードウェアやソフトウェアから、コンサルティングまでを含んでいます。今回の実験では、POU情報の分析をするためのクラウドサービスの構築のほか、ビッグデータ解析のノウハウを持つ専門家(キュレーター)がPOU情報の分析とコンサルティングにあたりました。

将来的に広く家庭の電子レンジからPOU情報が集められるようになれば、食品メーカーや食品卸は最適な在庫調整に役立てられるでしょう。食品工場から流通業者、流通業者から消費者へと的確な配送計画を組むことで効率化にもつながるでしょう。また、小売業者が生活者の消費に合わせて特売日を設定すれば、企業にとっても、生活者にとっても無駄のないサービスが提供されることになります。

コンバージェンスサービスとは

大量のセンシングデータを収集、蓄積、分析し、知恵を組み合わせ、人々をナビゲーションするサイクルを実現し、豊かな社会を実現していく富士通が提供するサービスの総称。今回のプロジェクトでは、パナソニックの家電から得たPOU情報を元に、富士通がデータ分析して生活実態を読み解いていきました。

■ ヒューマンセントリック・イノベーションの実現に向けて

今回のプロジェクトでは、生活者(モニター)、スマート家電から得られた「食」のデータ、富士通のクラウド・分析基盤という三つの要素をそれぞれ融合させることで、異業種のコラボレーションや生活者のより良い暮らしを実現するサービスを目指しています。このように「人・情報・インフラ」の潜在力を引き出し、ビジネスや社会の新たな価値を実現してくことを、富士通は「ヒューマンセントリック・イノベーション」と呼んでいます。

「これからは、デバイスやセンサー、さらには人間や組織などあらゆるものがつながるIoTの世界がやって来ます。富士通は、ICTの力で生活者を豊かにするイノベーションを実現していきたいと考えています」

(富士通 イノベーションビジネス本部 シニアディレクター 新井 浩治)

パナソニックとの共創プロジェクトでは、ビジネスだけではなくその先の生活者により良い暮らしを提供できるイノベーションを実現しました。富士通はこれからも、様々な業種の企業と連携し、人々の豊かな暮らしを実現するサービス・ソリューションを提供していくことを目指します。

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