■「黒板にチョーク」の授業スタイルが変化!?
小中学校の授業風景といえば、少し前までは教員が黒板にチョークで板書し、児童生徒がそれをノートに書き写すという光景が当たり前でした。それが今、ICTの導入により、大きく変わろうとしています。
しかし、教育現場へのICTの導入には、「無線LANの設備やタブレット端末を用意するのに費用がかかる」「これまでの黒板、教科書、ノートと電子黒板やタブレットをどう併用していけばいいのか」等、さまざまな課題があります。また、教員によってはICTについての知識が少ないために、「パソコンを授業でうまく使いこなせない」といったケースもあるようです。
■ 無線LANとタブレット端末で「新たな学び」を生み出す
富士通はこのほど「明日の学びプロジェクト」を開始しました。当プロジェクトは、「総務省 フューチャースクール推進事業」(注1)および「文部科学省 学びのイノベーション事業」(注2)の現場で培った経験を活かし、普通教室の授業に無線LANやタブレット端末、電子黒板などの導入を進めるものです。
2016年3月まで、北海道・福島・神奈川・静岡・鹿児島の5つの小学校とタイの中学校に、教員用や児童生徒用のタブレット端末やソフトウェアを貸与し、教員や児童生徒が日常的にICTを活用できる環境整備に取り組みます。これにより、児童生徒がICTツールを使いながら主体的に勉強する「新たな学び」を支援していきます。
(注1)2010年度から2013年度までの4年間実施された、総務省における実証事業。教育分野のICT利活用を推進。
(注2)文部科学省が実施したICTを活用した教育の効果・影響の検証、効果的な指導方法の開発、モデルコンテンツの開発などの実証研究。
■「教えるコツ」や「学びの記録」をデータとして「見える化」
「明日の学びプロジェクト」で中心となるのは、教育支援ツール「FUJITSU文教ソリューションK-12学習情報活用 知恵たま」です。児童生徒がその日の時間割を開くだけで、教材が自動的に用意されます。ログインすると教材が少しずつダウンロードされ、一斉アクセスによるネットワークの遅延も回避されます。また、授業や資料のデータはビジュアルで分かりやすく表示されるため、PCの操作が苦手だった教員の方々でも簡単に操作することが可能です。
「知恵たま」を使うことにより、今まで教員の経験とカンで伝えられてきた「教えるコツ」や「学びの記録」をデータとして蓄積し、教員と児童生徒との間で「見える化」することができます。これにより、個々の能力に応じたきめ細かい教育が実現でき、児童生徒の個性を今まで以上に伸ばすことができるかもしれません。
「知恵たま」の時間割ランチャーによる教材準備のイメージ
「明日の学びプロジェクト」では、「知恵たま」のほか、参加校の教員同士で指導案や教材の共有を可能にする「ちえがたまるポータルサイト」(ちえポー)を開設するなど、教育現場でのICT活用を支援していきます。富士通では、情報端末が「児童生徒1人に1台」となる日に向け、今後も教育をICTで支援する取り組みを進めていきます。
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