■宇宙への新たな挑戦、2014年冬に予定される「はやぶさ2」の打ち上げ
「はやぶさ2」の想像図 (イラスト:池下章裕)
2010年6月、世界の宇宙開発の歴史でとても大きな出来事がありました。小惑星探査機「はやぶさ」の帰還です。2005年に小惑星「イトカワ」に到着した「はやぶさ」は、地表のサンプルを採取した後、実に5年もの時をかけて宇宙を旅し、無事に地球に戻ってきました。
小惑星から地表サンプルを持ち帰るという「サンプル・リターン」に世界で初めて成功した「はやぶさ」。地球に戻ってくる軌道を決定するシステムや機体の状態をリアルタイムでモニタリングし異常を診断するシステム、宇宙で撮影した映像を地上に伝送するシステムには、富士通の技術が採用されていました。
そして今、これまでの経験を活かし、宇宙へのさらなる挑戦が進められています。その一つが、2014年冬に予定されている「はやぶさ2」の打ち上げです。この新たな挑戦にも富士通の技術が活かされています。
■ 太陽系、地球、生命誕生の謎を解き明かす壮大な研究をバックアップ
富士通と宇宙のつながりは、今から40年以上も前にさかのぼります。人類がアポロ11号で初めて月に着陸したのが1969年、まさに宇宙開発の黎明期から宇宙と関わりを持ってきました。特に宇宙から送られてくるデータから人工衛星や宇宙探査機がどこを飛行しているかを分析し、航路を決定する「軌道力学」の分野で、世界的にもトップクラスの技術力を持っています。
こうした高い技術力が「はやぶさ2」にも活かされています。「はやぶさ2」が目指すのは「1999 JU3」という「C型」の小惑星。岩石質の地表や地中には、太陽系が作られた頃の有機物や水がより多く含まれていると考えられています。
前回の「はやぶさ」では地表のみでしたが、今回の「はやぶさ2」は、地表のみならず、地中のサンプルを掘りおこし、持ち帰ることが大きなミッション。地中のサンプルを研究することで、太陽系や地球、生命誕生の謎を解明につながるのではと期待されています。
地球スイングバイをする「はやぶさ2」の想像図 (イラスト:池下章裕)
2014年冬に打ち上げ予定の「はやぶさ2」は、2018年に小惑星「1999 JU3」に到着し、サンプルを採取。その後、2020年に地球に帰還する予定です。富士通は、前回の「はやぶさ」の時と同じように、軌道決定システムや地上データ伝送システムなどを担当します。
太陽系、地球、生命誕生の謎を解き明かす壮大な研究、宇宙への挑戦が今、まさに始まろうとしています。JAXA、富士通を含めた各メーカーは、一丸となってこの大プロジェクトに取り組もうとしています。
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