トリノ戦から一夜明け、イタリア各紙の寸評を見ると、本田圭佑への厳しい評価が並んだ。前の試合では、当日と翌日で評価が変わったが、今回はそれもなし。カルチョの国独特の表現で、本田を寸評した。
■「チームメイトたちは金星から来たが...」
1-1のドローに終わった1日のセリエAトリノ戦から一夜明けた2日イタリア地元紙のACミランMF本田圭佑に対する評価は3紙中2紙がチーム最低という酷評だった。
後半44分までプレーした本田だが、イタリア最大紙「ガゼッタ・デロ・スポルト」はMFロビーニョ、DFボネーラと並ぶチーム最低の『5点』だった。これは試合後すぐに本田のプレーを分析したアレッサンドラ・ボッチ記者の『5.5点』を下回る。
寸評欄の見出しは「本田、火星人」。
「チームメイトたちは金星から来たが、彼はその逆で、火星から来た。周囲からあまり理解されていない。燃え上がるようなデビューの後は、静止の時期を過ごしている」という寸評だった。
火星と金星という表現はガゼッタのみならず、イタリアでもしばし使われるレトリックだが、本田がミランのサッカーに融合できず、ピッチ上で浮いているような状況を意味している。
本田のシュートは4本。パスの成功率は37本中33本で89%。ボール奪取は2度と分析されている。
■「鳥かごに入れられたように息苦しそうだった」
一方、ライバル紙の「コリエレ・デロ・スポルト」は平均的な『5.5点』という評価。試合当日に採点したフリオ・フェデーレ記者の『5点』よりやや上昇した。最低点はロビーニョの『4点』だった。
「右サイドに流刑された。試合当初は素晴らしいアイディアもなく、ボールをほとんど触っていなかった。ハーフタイム後より、ゲームに入っていた」
パッツィーニを1トップにした攻撃的MF3枚の右サイドで見せ場を作れなかった本田は「流刑」という表現を用いられた。
「トゥット・スポルト」はチーム単独最低の『4.5点』。寸評はどこよりも手厳しいものだった。
「この日本人には悪夢の夜だった、髪の毛が目立つだけでそれ以上何もなかった。(トリノの)モレッティは常に持続してマークし、鳥かごに入れられたように息苦しそうだった。ピッチから消えていた」
派手なヘアースタイル以外に見るべきものはなし。「背番号10」という大役を自ら担ったエース候補はゴールなどの結果も出せず、こんな酷評をされても反論できるプレー内容ではなかったのかも知れない。名門の低迷にいら立つメディアの本田に対する目は日増しに厳しくなっている。
次節は9日の敵地ナポリ戦。ミラン加入後、初めての強敵相手に、本田は真価を問われることになりそうだ。
【関連記事】
(2014年2月2日、「フットボールチャンネル」より転載)