本田圭佑のプレー、現地記者の評価を二分

26日のカリアリ対ACミランの一戦は1-2でミランが逆転勝ちした。本田圭佑は先発フル出場。先制され、苦しい展開だったが、本田のアシストもあり、なんとか苦しい試合をものにした。現地をどう評価したのか?

本田圭佑は先発フル出場【写真:Kazhito Yamada / Kaz Photography】

■「明確なチャンスだったので一度は決めるべきだった」

セリエAのACミランMF本田圭佑が26日のアウェイ、カリアリ戦で先発フル出場した。戦前はトップ下での起用が予想されていたが、4-2-3-1システムの右攻撃的MFを務め、後半44分にCKから決勝点をアシスト。2-1での逆転勝利に貢献した。

 前節ベローナ戦とイタリア杯敗退の決まったウディネーゼ戦では地元メディアから酷評された本田だが、ミラン番記者は決勝アシストにも関わらず、評価はそこまで上がらなかった。

 イタリア最大紙「ガゼッタ・デロ・スポルト」のマルコ・パソット記者は勝利にも関わらず採点は『5.5』と低調。

「今日は最高のホンダではなかった。3回の決定機をはずした。簡単ではなかったが、明確なチャンスだったので一度は決めるべきだった。高いシュート技術を持った選手としては想定外のことだった。その点では向上の余地がある」

 前半17分のGKとの1対1の場面でシュートを決められないなど、決定力を示せなかった「背番号10」に厳しい視線を浴びせていた。

「ドリブルなどはなかなか良かった。ミランはポゼッションにすごく苦労している。彼もゲームメークに関わらなければいけないが、他の選手同様に危機的状況であることには変わりない。勝ったけれど幻想を抱いてはいけない。悪いミランだった。

 勝利はチームを向上させるだろうが、内容を更に高めなければいけない」イタリア杯敗北とリーグ戦の苦境で来季のヨーロッパのカップ戦の難しい現状に名門ミラン番の声は未だ手厳しかった。

■「カリアリにとっては危険な選手の1人だった」

 ポジションは戦前のトップ下予想と異なり、右の攻撃的MFだったが、パゾット記者は本田の右での起用を推す。

「右のカカよりもホンダがプレーした方がいい。カカは3ヵ月間走り続け、疲れているが、ホンダはフレッシュだから。周囲との連携を高める必要があるが」と分析し、運動量と守備的な労力がより求められる右サイドには、ベテランで勤続疲労のカカよりも、本田に現状適正があると指摘した。

 一方、同じガゼッタ紙でもカリアリ番の本田に対する視線はより優しい。サルディーニャ島在住のマリオ・フロンジャ記者は『7点』という高い評価を本田に与えた。

「サルディーニャ島特有の風に開始20分間は苦しんだが、ボールコントロールがその後に向上した。カリアリはよく守った。隙はなかったが、もう決まったはずの勝負で本田が逆転に貢献した。

 敗北は最後の3分間で決まった。カリアリにとっては危険な選手の1人だった」

 これは相手チームの視線に一番近い分析だろうか。勝ち点3を行方に大きな影響を与えた本田に高得点で讃えていた。

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