本田圭佑への伊紙・単独インタビュー全文掲載。「結果に満足していない。批判は当然」「重圧は好き、歓迎したい」

本田圭佑がついに沈黙を破った。現地紙「ガゼッタ・デロ・スポルト」のインタビューに応じ、自分・チームの置かれている状況、クラブの未来などについて語った。全文を掲載する。

本田圭佑がついに沈黙を破った。現地紙「ガゼッタ・デロ・スポルト」のインタビューに応じ、自分・チームの置かれている状況、クラブの未来などについて語った。全文を掲載する。

■「美しいサッカーをして、サポーターにスタジアムに来てもらいたい」

 5日付イタリア紙「ガゼッタ・デロ・スポルト」でACミラン本田圭佑がインタビューに応じた。近日中にリーグ戦初ゴールに自信を浮かべた背番号10はクラレンス・セードルフ監督の右サイド起用にも納得。日本企業からミランにスポンサーが集まるジャパンマネーについても歓迎している。

 以下、インタビューの内容をお届けする。

 イタリア人が日本人のイメージについて考える。まずは礼儀正しい、プロ意識が高い。熱心に練習する。節度を保ち冷静沈着であることを大事にしている。本田圭佑は礼儀正しく、プロ意識が高く、熱心に練習する、節度を保って沈着であることに固執する。しかし、ステレオタイプを変えようとする。日本人は笑いが好きで、お笑いの芸人のテレビ番組がとても人気があると語った。

「お笑い芸人だって、仕事が終われば真面目に戻る。人を笑わせるために仕事しているだけ」

――本田圭佑はすでにミランに2つの日本の企業をひきつけて、(ひとつは富士通、もう一つの企業名は近日発表)年間200万ユーロをミランにもたらした。ユニフォームもたくさん売れた。技術的に選手を評価する前に誰かはビジネスのことを話すのは、気に入らないでしょうか?

「なぜ僕が怒ることがある? ミランにお金が入るなら、僕はとても嬉しい。でも今は(チーム状況が)そんなに簡単ではない」

――複雑な時期に移籍してきた。今季の結果はいいとは言えないし、観衆も少ない。

「環境を評価することはできない。僕のサンシーロに対する見方は今と昔も変わらない。いい試合ができれば、もっと観客が来てくれる。美しいサッカーをして、サポーターにスタジアムに来てもらいたい。それは僕の野心・希望のひとつ。

 結果に関しては自分たちの誰も満足していない。でも自分たちの仕事は継続的であり、成長もしている。ミランでプレーすることは難しいのはわかっていた。でも、いつも夢見ていたクラブだから選択した」

■「(EL出ない方がいい)同意できない」

――数週間前、サポーターはあなたのチームメートたちに会って話をすると要求した、普通だと思う?

「普通ではない。でもこの状況サポーターの気持ちはわかる。悪いゲームをすれば、説明して欲しいと思う心理は普通だ」

――来季は欧州チャンピオンズリーグ(CL)に出場しないで1年を過ごすことになる。それに対して思うことは?

「わからない。2シーズン後には(CLで)プレーできると思う。今はヨーロッパリーグ(EL)に集中しなければならない。重要な目標だ」

――ハイレベルなELを戦うよりも、イタリアでは1年はヨーロッパの舞台で戦わずに、クラブを再生させる方がいいと考えられている。

「それは同意できない。チームを向上させるためには試合をする必要がある。試合はたくさんある方がいい。特にピッチに送る優秀な選手がたくさんいるクラブでは。自分たちはプロの選手。1週間に2試合プレーする準備をする必要がある。

 もしELに入れなければ、現実をポジティブに受け止めて、練習に集中しなければならない。でもたくさんの試合でプレーした方がいい」

――イタリア人メディアのあなたへの評価に対してはどう思う?

「批判は嬉しくないが、書くのは自由。セリエAでの初めてのゴールはまもなく決めると感じている。重要な時だ。僕はとても決定力がある。ミランでビッグプレーヤーになるために来た」

――チームの再生は長い道のりになりそうです。

「わかっている。ここには大きなプロジェクトがある。日本人は我慢強い」

■「哲学は違うけど、重要なことは話し合うこと」

――戦術も我慢のうちなのか? 日本では、本田は自分のポジションでないところでプレーしていると言われている。

「セードルフ監督とよく話をしている。彼の上手な英語で、理解するのは易しい。初めは多くのことがわからなかったから、彼の部屋へ行って、細かく深く色々なことを聞いた」

――今はよりわかるようになった?

「初めは右のポジションは難しかった。でも、真ん中にはカカがいて、いいプレーをしている。初めの試合よりも少し良くなってきた。確かに真ん中は"僕の家"。代表でもCSKAでも右でやったことはあるけど、トップ下に入るのが好き。

 セードルフ監督は、僕は右でプレーするクオリティーを持っていると言う。選手は合わせなければならない。哲学は違うけど、重要なことは話し合うこと。僕たちは毎日とてもよく話をしている」

――哲学が違うと言いましたが、あなたの哲学とは何でしょう?

「カウンター攻撃のサッカーがある。ポゼッションにベースを置くサッカーもある。すべては監督の要求によるもの。クラブの必要性に合わせることは重要なこと」

――チームに慣れるために助けてくれたチームメートは?

「ミラネッロではみんな最高に優秀だ。スタッフは優れている。チームメートのみんなが助けてくれた。カカは何かわからなかったら訳してくれるし、ボネーラ、アバーテ、モントリーヴォはアドバイスしてくれている。早く慣れるためにすべては重要だ」

――バロテッリとピッチで抱き合ったが、すごく違うタイプの2人が息を合わせるのは印象的だった。

「服の趣味や生活スタイルは違うけど、ピッチでは同じだ。一緒に戦い笑う。マリオは彼の個性でイタリア人たちにたくさんの感動をプレゼントした」

「ユウトとの対戦はよく走らなければならないのはわかっている」

――プライバシーは尊重されていると言えますか?

「まだ評価できない。イタリアにまだ3ヶ月しか住んでいないし、あまり外へ出ない。ともかくミラノは好き」

――イタリアに来て監督交代に苦しんだように思えます。

「楽な状況ではなかった。ただ、選手生活ではよく起きることだ」

――日本代表監督のザッケローニはセードルフ監督とは違う。より経験があるのはザックだが、彼も日本語は話さない。

「とてもいい関係だ。いい通訳がいる。ザッケローニ監督は優秀な監督で、彼と仕事して多くのことを学んだ」

――日本というひとつの国が君の肩にかかっている、そういう重圧は複雑か?

「プレッシャーは好き。大きな期待がかかるのを歓迎したい。僕はそういう性格」

――ミラノでダービーを長友と試合する。日本人ファンには刺激的な試合だ。

「みんなにとって刺激のある試合であって欲しい。ユウトとの対戦はよく走らなければならないのはわかっている」

――日本人は我慢強いというが、イタリアのサポーターたちもあなたに我慢強い。

「我慢を期待はしていなかった。僕は10番を選んだ。大々的なお披露目で紹介された。ファンが僕に期待しているのはわかっている。でも僕は自分に自信を持っている。批判は決して僕をバラバラにすることはない」

 記事では本田のミラン戦のプレーデータも紹介された。

 13試合中10試合先発 834分出場。5試合フル出場。三度のイエローカード。イタリア杯は次のシーズン初戦で出場停止。平均点は5.79点。まだ不十分だが、上昇していてここ最近の2試合は、6と6.5点としている。

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(2014年4月5日「フットボールチャンネル」より転載)

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