ファッション通販サイト「ZOZOTOWN」を運営する株式会社ZOZOの代表取締役社長・前澤友作氏が10月31日、スマホアプリを使って体型を採寸するボディスーツ「ZOZOSUIT(ゾゾスーツ)」について、新技術の導入によって将来的に「不要」になる可能性を示した。
アナリスト向けの2018年第2四半期決算説明会で発表した。
同社は2018年1月、新規事業でもあるプライベートブランド(PB)事業の「目玉」としてZOZOSUITを発表した。
専用のボディスーツを着用し、連携アプリで体型を測定することで、試着や実際の採寸なしでも一人ひとりの体にフィットする商品を提供すると宣言し、話題を呼んだ。
大きな注目を集めていたZOZOSUITやZOZOのPB事業だが、前澤氏は10月31日の決算説明会で、「今後はZOZOSUITなしでも(PB商品を)購入いただけるようになります」と発表。
前澤氏によると、「身長、体重、年代、性別」の4つのデータを入力するだけで、顧客の「最適サイズ」を提案する新技術を開発したという。
この技術は、以下の3つのデータを元に開発。すでにデニムパンツなど一部の商品でこの技術を導入しており、今後はビジネススーツなど他の商品にも適応させていく予定という。
①これまでに配布したZOZOSUITで集めた体型のデータ
②基礎ユーザー情報(身長・体重・年代・性別)
③製品を使用したユーザーから集まった意見やフィードバック
前澤氏は、この技術が全商品に適応することで、「(今後)ZOZOSUITがいらなくなるかもしれない。そしてZOZOSUITを着て撮影することそのものも不要になるかもしれない。当然、アプリをダウンロードしていただくこともない」と説明。
さらに、ZOZOSUITの配布枚数の計画についても下方修正すると発表した。
同社は2018年度中に「600〜1000万枚」のZOZOSUITを配布することを目標にしていたが、「300万枚」に変更するという。これによって、当初見積もっていた配布コストも70億円から「40億円」に減少する見通しだ。
ZOZOSUITが「不要」になる可能性について示した前澤氏だが、今後は海外ユーザーの体型のサンプルデータを収集していくため、ZOZOSUITを活用していくという。しかし、将来的に配布はやめる方針で、決算説明会後に前澤氏は「ZOZOSUITは将来的に廃止予定」とツイートした。
前澤氏は、「本来はブランドですから、服自体に注目が集まらないといけない。それが、どうしてもZOZOSUITや計測の部分にスポットが当たりがちだった。もっと商品を見ていただけるように、製品開発に力を入れていけるようにしたい」と説明。
チノパンツやシャツのバリエーション追加、靴など新商品の展開に力を入れていきたい、と述べた。
ZOZOのPB事業をめぐっては、7月に受注を開始したオーダーメイドの「ビジネススーツ」の納期の遅れなどが問題視されている。
同社の発表によると、PB事業では2018年7月〜9月に15.4億円分の受注があったが、発送実績は「5.4億円」に留まっているという。
前澤氏は、「ビジネススーツで初めてZOZOSUITにチャレンジしていただいた方も多いと思います。そういう方に限って遅延をしてしまっており、本当に申し訳ありません。最大で2カ月から3カ月お待ちいただいているお客様もいる」とビジネススーツの生産遅れについて謝罪。
納期遅延は年内に解消すると宣言した。
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あす11月1日22時からネット番組「#ハフトーク」に、ZOZOのコミュニケーションデザイン室 室長を務める田端信太郎さんが生出演します。
「ZOZOSUITは将来的に廃止予定」と公表したZOZO。では、何のためにZOZOSUITつくったの?失敗だったの? 60分間、徹底的に聞きます。
番組はこちらから。