2019年11月、日本経済新聞社が「NEXTユニコーン(*1)」を発表。企業価値(推計)が100億円を超えるスタートアップは前年より34%増え、63社となった。今回はその中でも、特に採用を強化する企業10社を選出。その動向とともに、実際の求人を見ていこう。
「NEXTユニコーン」10社
【1】TBM
【2】スマートニュース
【3】ウェルスナビ
【4】WHILL
【5】dely
【6】ABEJA
【7】ispace
【8】プレイド
【9】ピクシーダストテクノロジーズ
【10】ヤプリ
大手企業によるスタートアップ投資の動き。日本発「ユニコーン」誕生へ
3800億円超ーーこれは2018年の国内スタートアップにおける資金調達額だ。ここ5年間で5倍近い成長を遂げ、過去最高を記録した(*2)。
この背景のひとつとして、国内大手企業によるスタートアップへの投資の動きがあると言えるだろう。多くの企業が新たな事業創出を目指す中、優れた技術・アイデアを持ったスタートアップとの連携を手段の一つとして掲げている。
実際に、2019年5月には、トヨタグループが1億ドル(約110億円)規模のファンド立ち上げを発表。2017年にも同規模のファンドを立ち上げており、自動運転、ロボティクス、AI、データ、クラウドなどの領域に投資を行なっている。
その他、博報堂、JALなども相次いで投資ファンドを設立するなど、各企業でスタートアップ・ベンチャーへの投資体制の整備が進む。
こうした中、有力なスタートアップが多額の資金調達を成功させるケースも。2018年に大型上場を果たしたメルカリをはじめ、日本発「ユニコーン」が新たに誕生している。
日経新聞社が発表する「NEXTユニコーン」。有力スタートアップが採用強化へ
2019年11月、日本経済新聞社が発表したのが「NEXTユニコーン」だ。将来的に「ユニコーン」となる可能性のある未上場スタートアップを集計している。
AMBI編集部は、その中でも特に積極採用を行っている企業に注目した。実際の求人とともに見ていこう。
(2019年11月時点で求人募集が行なわれていた企業となります)
【1】TBM
時価総額1200億円を超える、日本発「ユニコーン」。同社が展開するのが、紙、プラスチックの代替となる新素材「LIMEX(ライメックス)」だ。製造自体に環境への負荷が少なく、リサイクルも可能という性質が国内のみならず、世界で注目を集める。
すでに吉野家のメニュー表、東京マラソンのマップ、さらにNTTコミュニケーションズ、住友生命といった企業の名刺に採用されている。
【2】スマートニュース
ニュースアプリ「SmartNews」のダウンロード数は日米合計で4000万件を突破(2019年2月時点)。特に近年、アメリカ事業の成長が目覚ましく、ユーザー数が前年比5倍以上で成長しているという(2019年8月5日発表)。
2019年8月には、総額31億円の資金調達を実施し、時価総額は1100億円を突破。「ユニコーン」の仲間入りを果たした。
【3】ウェルスナビ
AIで入金・発注・再投資といった資産運用のわずらわしいフローを自動化する、ロボアドバイザー「WealthNavi」を展開。2億件超というトラックレコードを分析、年齢や年収、アクセスログといった利用者の属性情報をもとに、パーソナライズした「アドバイス」を手掛ける。
2016年7月の正式リリースから、3年余りで預かり資産は1800億円、口座数は24万口座を突破した(2019年10月16日時点)。
【4】WHILL
車椅子の自動運転システム「WHILL自動運転システム」を展開。取り付けられたセンサーや地図情報などをもとに、空港、駅、商業施設などで安全な自動走行を可能とする。さらにシェアリングサービスを想定し、車椅子の運搬や回収、管理などの自動化機能も備える。
2019年10月には、JALと連携した羽田空港における実証実験が発表された。
【5】dely
レシピ動画サービス「kurashiru(クラシル)」を展開。アプリダウンロード数は、1700万を突破した(2019年4月時点)。
2018年7月には、93億円の出資を受け、ヤフーグループへ。さらに2019年1月に、ライフスタイル事業に参入するなど、事業の拡大を進めている。
【6】ABEJA
事業のAI化に不可欠な工程を一貫して実装可能とする、開発プラットフォーム「ABEJA Platform」を提供。プログラミングなどの専門知識を要さずに、AI実装プロセスの仮説検証を迅速・安価に進められるのがユニークなポイントだ。
サービスは2019年3月時点で、150社以上の企業で導入。さらに2019年10月にシリコンバレーに現地法人を立ち上げるなど、海外進出も仕掛けている。
【7】ispace
「宇宙を人類の生活圏にする」をビジョンに、月面資源開発の事業化を目指す、民間宇宙開発企業。2021年の月面着陸、2023年の月面着陸&探査実施を計画する。
2017年、INCJ(旧産業革新機構)、日本航空やKDDIなどから出資を受け、宇宙スタートアップとして巨額の100億円超の資金調達に成功した。
【8】プレイド
CX(Customer Experience=顧客体験)プラットフォーム『KARTE(カルテ)』を提供。
ユーザー1人ひとりのアクセス情報や大量の行動データを取得し、「感情の変化をリアルタイムに解析する」という特徴を持つ。解析した累計ユーザー数は42億人にものぼる。
EC、金融、不動産、人材、IT・デジタルコンテンツ…と、あらゆる領域のウェブサイトやスマートフォンアプリに実装。ユーザーとのコミュニケーションに欠かすことのできない存在となっている。
【9】ピクシーダストテクノロジーズ
メディアアーティストの落合陽一筑波大学准教授らが立ち上げた、大学発ベンチャー。大学で生まれた技術を、社会課題の解決手段として、連続的に社会実装することを目指している。
2019年には、総額48億円を超える大型資金調達に成功。JR東日本グループなどの企業、さらには地方自治体との連携も進めている。
【10】ヤプリ
プログラミング不要でスマートフォンアプリを開発・運用できるクラウドサービス「Yappli(ヤプリ)」を手がける。直感的な操作で開発・運用・分析ができるユニークさで、導入企業は300社を突破した(2019年6月時点)。
2019年8月には、Tカードを軸にマーケティング事業を手掛ける「CCCマーケティング」との協業を発表するなど、事業拡大を進めている。
自身のスキルがフィットするかどうか、まずは「興味あり」を押すことで合格可能性が届く。興味を持った方は「興味あり」を押し、ぜひ合格可能性を受け取ってみてほしい。