政治分野のジェンダー不平等の解消を目す「FIFTYS PROJECT」の代表・能條桃子さんは、知事選での女性当選者ゼロの結果について「現職優位、大きな票がある組織が影響力を持つ大型首長選挙で、女性が有力候補になる難しさが改めて明らかになりました」とハフポスト日本版の取材に述べた。
統一地方選の後半戦として、各地の区市町村の首長と議員、それに衆参の補欠選挙が4月23日に投開票される。能條さんは「ジェンダー平等政策の実現はそれを志す議員が増えなければ変わりません」として、「まずはジェンダー平等が争点の1つになるとともに、それを目指す議員が1人でも多く生まれることを願っています」と展望を語った。
ハフポスト日本版と能條さんとの詳しい一問一答は、以下の通り。
■「日本全体のジェンダー平等意識の変化、政党・有権者の変化も同時に求められている」
――9つの道府県知事選では当選者9人のうち、女性の当選者は0でした。候補者計33人のうち女性は7人で、過去最高の21.2%になったものの、当選比率でいうと0%で改めて高いハードルが示された形です。この結果をどう受け止めていますか?
現職優位、大きな票がある組織が影響力を持つ大型首長選挙で、女性が有力候補になる難しさが改めて明らかになりました。この現状は一朝一夕で変わるものではなく、日本全体のジェンダー平等意識の変化、政党・有権者の変化も同時に求められていると思います。
――同日投開票された41道府県議選では、女性当選者は計316人と過去最高でした。女性候補者の割合も過去最高の15.6%でしたが、国の目標35%からは大きく下回っています。これについてどう感じていますか?
過去最高とはいえ少なさすぎると思います
――統一地方選の後半戦は4月23日に投開票されます。全国の区市町村の首長と議員の選挙が行われますが、後半戦に向けてどんな展望を抱いていますか?
ジェンダー平等を目指した時、女性議員の数は重要な指標の1つですが同時に、ジェンダー平等政策の実現はそれを志す議員が増えなければ変わりません。まずはジェンダー平等が争点の1つになるとともに、それを目指す議員が1人でも多く生まれることを願っています。
――「FIFTYS PROJECT」では4月12日現在、統一地方選で「ともにジェンダー平等な政治を目指して活動する立候補予定者」として32人の方の名前を挙げています。こうした取り組みをした理由は?
20代、30代の女性は地方議員のなかで1%未満です。人口に応じた代表が必要であるという考えに基づいています。また、ジェンダー平等政策の実現のために、フェミニズム運動に後押しされた議員が増えることが重要です。未来の立候補者を増やすという観点でも、投票以上のボランティアといった踏み込んだアクションをする人を増やしたいと思っています。