Zeebraさん悔やむ「ヒップホップの精神、伝え損ねた」 ラップバトルの罰ゲームによる死亡事故を受けて

「もう若いラッパーが死ぬのを見たくありません。被害者の方のご冥福をお祈り致します」と追悼した。
Zeebraさん(2013年撮影)
Zeebraさん(2013年撮影)
時事通信社

ラップバトルの罰ゲームで多摩川に飛び込んだ男子高校生が死亡した事故を受けて、人気ラッパーのZeebraさんが12月20日、公式Twiterで「ヒップホップの精神」を伝え損ねたと、悔やんだ。

朝日新聞デジタルによると、死亡したのは川崎市内の市立高校に通う16歳の少年。神奈川県警幸署からの情報として、少年は19日に中学の同級生ら友人5人とラップバトルをしていたと報じた。友人らの説明では、最下位になった少年が「罰ゲーム」として、川崎市幸区の多摩川大橋からの橋脚から飛びこんでいたという。

1993年にヒップホップグループ「キングギドラ」を結成し、日本語ラップの草分けといえるZeebraさんはTwitterで「あまりにも悲しい出来事に心が痛いです」などと連続ツイート。その中で、今回の事故が起きたのは「ヒップホップの精神が伝え損ねたが故」と自戒を込めた。

その後、ヒップホップのあるべき姿について「問題が増えてる今こそ、ポジティブな意識を持つ事がカッコいいヒップホッパーなんじゃないかなと思います」とした上で、「もう若いラッパーが死ぬのを見たくありません。被害者の方のご冥福をお祈り致します」と追悼の言葉で結んだ。

川崎の件。あまりにも悲しい出来事に心が痛いです。自分世代は「ヒップホップの精神が伝え損ねたが故」と思いますが、ここでいうヒップホップの精神も我々世代と今の世代では乖離があり、本場アメリカでも昔は反対の立場であったハードドラッグで命を落とすラッパーが後を絶ちません。

— Zeebra (@zeebrathedaddy) December 20, 2019

常に革新される事を良しとするカルチャーである事、ティーンや二十代がメインのターゲットである事などから上の世代はどんどん淘汰され、世代間や歴史の断絶が進んでいるのが現状です。自分が伝えたい事は、我々世代にとってのヒップホップもその当時のティーンや二十代が作った物だという事。

— Zeebra (@zeebrathedaddy) December 20, 2019

決して保守的になった大人が作った物ではなく、問題が多かったからこそ状況を正すという行為が革新的だったんです。問題が増えてる今こそ、ポジティブな意識を持つ事がカッコいいヒップホッパーなんじゃないかなと思います。

— Zeebra (@zeebrathedaddy) December 20, 2019

「MCバトルだけじゃなくヒップホップの精神を伝える」という行為が必要とされる今、我々がまず向き合わなくてはいけないのはそもそも今のヒップホップが正しいのかという事。上の世代も上から目線ではなく、下の世代も何でも「老害」と切り捨てずに考えていけたらなと思います。

— Zeebra (@zeebrathedaddy) December 20, 2019

もう若いラッパーが死ぬのを見たくありません。被害者の方のご冥福をお祈り致します。

— Zeebra (@zeebrathedaddy) December 20, 2019

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