宮城県と山形県にまたがる蔵王山が、噴火警戒レベル2(火口周辺規制)に引き上げられた。
気象庁が1月30日午後に発表した。小規模な噴火の可能性があるとして、御釜周辺にある馬の背カルデラから約1.2キロの範囲で、噴火に伴う大きな噴石に警戒するよう呼び掛けている。
レベル引き上げに伴い噴火警報も出され、対象地域となる宮城県蔵王町・七ヶ宿町・川崎町、山形県山形市・上山市に対して、入山規制などの対策を取るよう求めている。
気象庁はこれに先立つ30日朝、蔵王山で火山性微動が観測されたと発表。火山性微動とは、マグマや熱水の移動したことで発生する地面の連続した震動のこと。仙台管区気象台によると、28日午後7時28分と30日午前0時44分にそれぞれ1回観測された。
火山活動の高まりがあるとしていたが、噴火の危険性を表す噴火警戒レベルは1(活火山であることに留意)を継続し、火山活動の推移を見守るよう注意を呼び掛けていた。
ところがその後、午後2時18分ごろから31分にかけて火山性微動がまた発生。これまでで最大の振幅が観測されるなど、噴火の危険性がさらに高まったようだ。
火山性微動の観測は、2017年4月3日以来となる。
また、傾斜計で観測された山頂の南側が隆起する地殻変動は、30日午前2時38時現在も継続中だ。
噴火警戒レベルとは 草津白根山はレベル3
噴火の危険性を表す噴火警戒レベルは全5段階。レベルが高い順に上から
5.避難
4.避難準備
3.入山規制
2.火口周辺規制
1.活火山であることに留意
に分類される。
レベル2以上などで噴火警報が出され、気象庁が発表している対象地域は全部で11つ。そのうちもっと高いのがレベル3で、1月23日に噴火した草津白根山や鹿児島の桜島などが分類されている。