YouTubeは2月9日、青木ヶ原樹海で自殺者とみられる遺体の動画を撮影・投稿したYouTuberのローガン・ポール氏に対し、チャンネルの広告掲載を一時的に停止すると発表した。
ポール氏は一連の騒動を謝罪したが、5日に池から掬った魚に心臓マッサージをしたり、ネズミの死骸に電気ショックを与えたりする動画を投稿。非難の声が殺到した。
YouTubeはハフポストUS版によせた声明文で、今回の決定に至った理由について、ポール氏の行動が「広告主にとって不適切なだけでなく、幅広いクリエイターのコミュニティに損害を与える可能性がある」と説明している。
ポール氏は1月1日、「日本の自殺の森で死体を発見」というタイトルが付けられた15分間の動画を投稿。動画には、ポール氏が青木ヶ原樹海で首吊り自殺したとみられる若い男性の遺体を発見するところが映し出されており、批判が殺到した。
ポール氏はチャンネル登録者数1500万人(当時)を抱える人気YouTuberだ。経済誌フォーブスによると、2017年の収入は約14億円だった。ポール氏が投稿した遺体の動画は投稿後しばらくして広告収益が無効化されたが、最初の24時間で600万回再生された。
ネット上で批判が高まったことを受け、ポール氏は謝罪。「ネット上でネガティブな影響ではなく、ポジティブな影響を与えることが出来るかもしれないと思った」「自殺と自殺防止の認知を高めようとしたんです」などと弁明した。
謝罪後に投稿した動画では、全米自殺予防ライフラインに100万ドル(約1億1000万円)を寄付することを表明した。
YouTube側は、この騒動後、ポール氏と共同開発していたコンテンツ制作の中断を発表。広告メニューの「Google Preferred(グーグル・プリファード)」からチャンネルを除外するなどのペナルティを課していた。
一方で、YouTubeが動画の投稿から1週間以上が経ってから声明を発表したことに、対応の遅れを批判する声もあがった。