タレントの長嶋一茂さんが7月29日、情報番組「あさチャン!」(TBS系)に出演し、闇営業問題に揺れる吉本興業の騒動について言及。同社が政府や自治体と提携して取り組んでいるさまざまな事業について、一度「撤退すべきだと思います」と苦言を呈した。
官公庁のPR、新事業にはクールジャパン機構から100億円出資も
吉本興業は内閣府や経済産業省、法務省、外務省、国土交通省など、官公庁のPRを数多く手がけている。
沖縄国際映画祭の開催や大阪万博の周知活動などに代表されるように、自治体との取り組みにも積極的だ。
2019年4月には、NTTグループと共同で沖縄に新会社「株式会社ラフ&ピース マザー」を設立し、国産プラットフォーム事業に乗り出すことを発表。新会社は、官民ファンドのクールジャパン機構(海外需要開拓支援機構)から段階的に最大100億円の出資を受ける。クールジャパン機構の広報担当者によると、すでに投資額の一部を出資済みという。
「撤退すべき」「税金で賄っているわけですから」
29日放送の「あさチャン!」では、こうした一連の取り組みが紹介された。
コメンテーターの長嶋一茂さんは、「芸人さんが動くことによってそれだけ認知度は高まるわけですし、いろんなメディアが動くわけで、お互いウィンウィンの関係というところはわかる」とコメント。
一方で、騒動を発端にタレントと所属事務所の契約のあり方などにも注目が集まっていることから、「今の吉本興業さんの現状を見ていると、所属のタレントさんと対立している部分だとか、考え方の違いだとか、吉本興業さんのガバナンスも含めて整理されていないところがある」とも指摘。
「行政機関ですよね。やっぱり税金で賄っているわけですから。今の段階では、僕は内部の人間ではないから何とも言えませんけれども、やっぱり撤退すべきだと思いますね、一度」
「まず内部の方の礎をもうちょっとちゃんと盤石にして、企業の理念とか経営の方向性みたいなものを、そこをみんなで統一して。吉本興業さんがよくなってからこの事業をもう1回するのは構いませんけれども。今現在でこれ(行政との取り組み)をやるのかやらないのかというと、僕はやらないほうがいいと思います」
吉本興業は7月25日、諸課題について検討する「経営アドバイザリー委員会」を設置すると発表。同委員会では、反社会的勢力とのつながりを根絶する体制構築をはじめ、所属タレントとの契約のあり方、マネジメント体制などについて諮問するという。