ロック歌手、矢沢永吉さんの公式ファンクラブが1月21日、コンサート会場などで迷惑行為をくり返す一部のファンについて、コンサートへの出入り禁止とファンクラブの強制脱会などの措置をとったと発表した。
公式サイトによると、出入り禁止となったのは、「私設応援団」で総会長を務めるファン。雑誌に私設応援団に関する記事が掲載され、多数の問い合わせがあったことから、今回の発表に至ったという。
同ファンクラブは「まず、矢沢永吉並びにYAZAWA CLUBは、矢沢永吉に関する私設応援団を認めておりません」と断言。
これまで一部の集団による威圧行為や、一部のファンの飲酒による周囲への迷惑行為に対するクレームが続いており、「コンサートに行きたいけど怖くて行けない」という声が寄せられていたという。
こうした声を受け、矢沢の目指す「どなたでも来場しやすいコンサート」を実現するため、以下のような迷惑行為を禁止するルールを強化してきた、とした。
周囲の人に威圧感を与えるような私設応援団の活動
旗振り、特攻服などの威圧行為の禁止
周囲に迷惑となる永ちゃんコールの強要・煽りの禁止
飲酒入場の禁止
しかし、今回出禁となったファンが総会長を務める私設応援団は、「長きに渡る(「どなたでも来場しやすいコンサート」への)取り組みに対する妨害行為であると判断せざるを得ない内容」だったとし、「これを看過することは、矢沢永吉の方針を自ら否定することにもなりかねません」と言及。
「誠に残念ではありますが」と前置きした上で、このファンの「コンサートへの一切の出入り禁止」のほか、「ファンクラブの強制脱会」などの措置を取ったと報告した。
「ファンもマナーを守るべき」の声
公式サイトの見解が発表されると、Twitterなどネット上では、「ファンもマナーを守るべき」「素晴らしい対応」など好意的なコメントが相次いだ。
アーティストにとって、ファンクラブに入会したり、コンサートなどに来場したりするファンは、自身の活動をサポートしてくれる必要不可欠な存在だ。
一方で、アーティスト自身や他のファンにとって迷惑行為になるような、節度のない行動をとるファンが出てしまうこともある。
過去には、ジャニーズ事務所がごく一部のファンについて、「タレントへの応援マナーや公共交通機関の利用マナーに問題がある」として、タレントの追いかけや付きまとい行為などをしないよう求める声明を出したこともある。
人気アイドルグループの乃木坂46も2018年6月、「ファンによるストーカー行為を確認した」として、注意喚起のコメントを出した。声明では、ストーカー行為などの迷惑行為はただちに警察に通報し、すべて活動において出入禁止処分とする、とつづっている。