人気ミステリー「浅見光彦シリーズ」で知られる作家の内田康夫さんが、敗血症のため東京都内で3月13日に死去した。83歳だった。
毎日新聞によると、葬儀は近親者で既に執り行われた。お別れ会はせず、長野県軽井沢町の浅見光彦記念館に3月23日から4月23日、献花台が設けられる。
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NHKニュースによると、内田さんは1934年に東京で生まれた。コピーライターなど経て、1980年に「死者の木霊」で作家デビュー。「後鳥羽伝説殺人事件」(82年)「天河伝説殺人事件」(88年)「氷雪の殺人」(99年)など、フリーのルポライター「浅見光彦」が事件の謎を解くミステリーシリーズが人気を呼んだ。
シリーズはこれまでに100作を超え、累計発行部数は9700万部にのぼった他、相次いでテレビドラマ化された。
2008年には、ミステリー文学の発展に貢献したとして「日本ミステリー文学大賞」を受賞した。
14年から浅見光彦シリーズの最新作「孤道」を連載していたが、翌年に脳梗塞で倒れて連鎖を中断し、小説の休筆を宣言。同作は未完のまま刊行されたが、作品の続きとなる小説の公募がされており、最も優れた作品が「完結編」として出版される予定だ。