3年間にわたりシリアの武装組織に拘束されていたフリージャーナリストの安田純平さんが解放されたことを受け、Twitter上で「自己責任」をめぐる議論が再び巻き起こっている。
国内ではフリージャーナリストなどが危険地域に入るたび、危ない目にあっても自業自得だとする「自己責任論」が取り沙汰される。
テレビ朝日解説委員の玉川徹さんは、10月24日放送の「羽鳥慎一モーニングショー」(テレビ朝日系)で「自己責任」を問う風潮に対して異議を唱えた。
玉川さんは、ジャーナリストは「民主主義を守るためにいる」とし、「国に迷惑かけたって何ですか。その人たちは民主主義がいらないんですか。民主主義が大事だと思っている国民であれば、民主主義を守るために色んなものを暴こうとしている人たちを『英雄』として迎えないでどうするんですか」と語気を強めた。
これに対して同日、高須クリニックの高須克也院長はTwitterで「この人には敬意をはらえません」と批判。「まず『恥ずかしながら・・・』と謝りなさい」などと厳しいコメントを浴びせた。
こうした自己責任論に、「(安田さんの行動は)自分勝手」「いい加減にしてほしい」など同調する声も広がっている。
しかし、脳科学者の茂木健一郎さんは自身のTwitterで「よかった、うれしい、という反応以外は、まともな人間としてありえないでしょう」と苦言を呈した。フランス人記者の「(酷いバッシングは)フランス人からすると、全く理解できない」というツイートを引用し、「日本人だって理解できないよ」とコメントした。
一方、どちらにも与しないとする意見も。
映画作家の想田和弘さんは「英雄視するのも、非国民扱いするのも、どちらにも違和感があります」とツイート。「無事に解放されて本当によかったですねえ...」と、安田さんをねぎらった。