「週刊文春」で男性弁護士との不倫疑惑が報じられた民進党の山尾志桜里元政調会長が9月7日、同党の大島敦幹事長に離党届を提出した。
山尾氏は7日夜、国会内で大島幹事長と会談し、離党届を提出。その後、国会内で会見した。
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只今、離党届を大島幹事長に提出をさせていただきました。今回の報道について、皆様にお話をさせていただきます。
本日発売の週刊誌報道に端を発し、国民の皆様、大事な愛知7区地元有権者の皆様、ともに戦ってきた同志でもある子育てに奮闘するお母さんを始め応援いただいた皆様、同僚議員、自治体議員、歯を食いしばっている総支部長、民進党の党員・サポーターの皆様に、大変なご迷惑をおかけする事態になってしまいました。本当に申し訳ありませんでした。
今回の事態を受けまして、先程離党届を幹事長に提出してまいりました。
この週刊誌に記載があります倉持弁護士には憲法問題や、共謀罪、雇用問題など極めて幅広い政策分野において、政策ブレーンとして具体的な政策の立案や起案の作業、質問やスピーチや演説原稿などの作成作業をお手伝いいただいて参りました。
こうした政策の立案や質問を作るなどの打ち合わせ、そして、具体的な作業のために、倉持弁護士とは頻繁にコミュニケーションをとってまいりましたし、こうした打ち合わせや作業は、二人の場合もありましたし、それ以上の複数人である場合もありました。
打ち合わせ場所については、双方の事務所また会食の席上、こういった場合が相当多数回ありますが、同弁護士のご自宅の場合もありました。また、本件記事記載のホテルについては、私ひとりで宿泊をいたしました。
倉持弁護士と男女の関係はありません。しかし、誤解を生じさせるような行動で様々な方々に御迷惑をおかけしましたこと、深く反省をし、お詫びを申し上げます。本当に申し訳ありませんでした。
(一礼)
その上で、この度、民進党を離れる決断をいたしました。まずは改めて、冒頭でもお話ましたけれども、国民の皆様、地元有権者の皆様、支援者の皆様、民進党同僚議員、自治体議員、総支部長、党員・サポーターの皆様に、改めてお詫びを申し上げたいと思います。本当に申し訳ありませんでした。
また、とりわけ、前原誠司民進党新代表には、新しい執行部を立ち上げる大事なタイミングで、大変なご迷惑をおかけすることになったこと、先日の党大会で、党再生のために結束を誓いあった仲間の皆さんの思いに水を差す形になったこと、心から申し訳なく思っております。
私は、民主党、そして民進党の党員・サポーターの皆さん、職員の皆さん、同僚議員、先輩議員、自治体議員のみなさん育てられ、国会議員という職責を果たすための沢山のチャンスを頂き、落選中を含めて支え続けていただきました。
私自身、約10年前に政治の世界に挑戦を決めたときから、現在に至るまで、この国に必要な2大政党制の一翼を担う使命を負っているのは、民主党、そして民進党であると確信をし、離党を考えたことはこれまで一度もありませんでした。感謝の気持ちでいっぱいであるのと同じだけ、大変申し訳なく、苦しい思いでおります。
民進党が掲げてきた理念、取り組んできた政策への思いは今も変わりません。しかし、間もなく始まる臨時国会、そして大切な国会論戦、こういった場に今回の混乱を持ち込むことは、私を育ててくれた民進党、そしてご支援いただいた皆様にさらなる御迷惑をおかけすることになると判断をし、本日離党する決断をいたしました。
平成29年9月7日 衆議院議員 山尾志桜里。
以上でございます。本当に申し訳ありませんでした。
(一礼)
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以上の内容を発言した後、山尾氏は記者団の質問に答えずにその場を去った。会見は6分ほどだった。議員辞職には言及しなかった。
大島幹事長は国会内で記者会見し、「離党届を預かった。党内で検討する」と述べた。
山尾氏は当選2回。2016年に「保育園落ちた日本死ね」と書かれた匿名ブログを国会で取り上げるなど、舌鋒の鋭く与党を追求する姿で注目され、知名度を上げた。
前原誠司新代表の下、民進党の新執行部人事で幹事長に内定していたが、「週刊誌が既婚男性との交際疑惑を取材している」という情報が入ったため、前原氏は山尾氏の起用を断念。幹事長人事は白紙となり、執行部入りも見送られていた。