民進党の山尾志桜里元政調会長が「週刊文春」で男性弁護士との不倫疑惑が報じられたことを受けて9月7日、離党届を提出した。
これに対して前大阪市長の橋下徹氏は8日朝にTwitterで「これくらい乗り切る危機管理をしないと」とコメントした。「文春砲」で不倫が報じられた"先輩"としてのアドバイスのようだ。
週刊文春が報じた相手の弁護士は、安保法制の専門家として知られる人物。こうした人柄を念頭にした発言とみられる。
山尾氏は相手とは「男女の関係はなかった」としつつ、記者会見では、以下のように冒頭で、支援者や同僚議員らに対して謝罪したが、相手や自分の家族のことには言及がなかった。
国民の皆様、大事な愛知7区地元有権者の皆様、ともに戦ってきた同志でもある子育てに奮闘するお母さんを始め応援いただいた皆様、同僚議員、自治体議員、歯を食いしばっている総支部長、民進党の党員・サポーターの皆様に、大変なご迷惑をおかけする事態になってしまいました。本当に申し訳ありませんでした。
離党の理由としては、臨時国会での民進党に対する影響や、支援者に迷惑をかけることになることを挙げた。
橋下氏は「家庭の問題」と強調、政治活動との切り離しに成功
橋下徹氏も、大阪市長時代の2012年7月19日発売号の週刊文春で、女性問題が報じられた経験がある。記事では、大阪府知事就任前の2006年に、飲食店勤務の女性と不倫関係にあったとされた。
当時の日刊スポーツによるとこの報道に対して、橋下氏は大筋で事実を認めた。朝日新聞(2012年07月19日朝刊)によると18日の大阪市庁舎での記者会見では「知事になる前は聖人君子のような生き方をしていたわけでもない」と話したという。
一方、「妻に説明してから。明日また来て」として再び開いた翌19日の会見では、「家庭内のことですから」と何度も繰り返し、詳細は話さなかった。
また、家族への気持ちについて問われると「(妻の怒りは)そら、相当なもので、理解してくれとは言えない。僕は妻と子供に謝り続けるしかない。不倫は妻への最大の侮辱。最低の親で最低の夫ですから」とだけ語った。
橋下氏は、大阪市幹部には「信用失墜行為にあたる」などと謝罪のメールを送っていたが、このユーモアも交えた記者会見などでの態度によって、不倫はあくまでも「家庭の問題」とアピールし、自身の政治活動とは切り離しを図ることに成功した。
そして、直後の同年9月28日には国政新党「日本維新の会」を旗揚げ。同年末に行われた衆議院選挙では、第3党に躍進した。