5月4日に2人の初めての赤ちゃんが生まれた、スペースXCEOのイーロン・マスクさんと、歌手のグライムスさん。
誕生直後に、子どもにつける名前を「X Æ A-12」にすると公表して、大きな話題になった。中には、この名前が法的に認められるのだろうかと疑問を呈する人もいた。
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■登録できる?答えはノーのようだ…
しかし「X Æ A-12」という名前は、赤ちゃんの生まれた州であるカリフォルニアで、認められるのだろうか? 答えはどうやらノーのようだ。
カリフォルニア州公衆衛生局の人口動態記録担当オフィスは、登録可能な名前をハンドブックで説明している。
そのハンドブックによると、「英語で使われている26のアルファベットのキャラクター」と「適切な句読点(ハイフンや、アポストロフィー、ピリオド、カンマなど)」のみが、出生証明書などの人口動態記憶に使われる。
「X Æ A-12のような名前は許可されません」と公衆衛生局の担当者はハフポストUS版に語った。
担当者によると、数字やピクトグラフ、表意文字、アクセント記号などの発音区別符号が、ガイドラインに沿っていない。
■物理的に登録が難しい
ガイドラインは法律ではない。そのため、厳密に言えば2人が選んだ名前は、法律に反してはいない。しかし、「X Æ A-12」が子どもの法的な名前として認められる可能性もなさそうだ。
「一般的に子どもが生まれた時は、病院で必要事項を用紙に記入し、それをコンピューターシステムに登録します。私の予想ですが、彼らの望む名前は、登録しようとしてもコンピューターに却下されるでしょう」とカリフォルニア大学デイビス校のロースクールで教える、カールトン F.W.ラーソンさんは話す。ラーソンさんは2011年に「親の命名権」についての論文を書いている。
「マスクさんたちは、出生証明にこの名前は登録できないと言われているのではないかと思います。そのため、他の名前を登録しなければなりません。XとAは問題ないと思いますが、12と Æは、許可されないと思います」
カリフォルニアの命名ルールは、これまでにも物議を醸してきた。カリフォルニアにはラテンアメリカ系の住人が多く住んでいるが、彼らの使うスペイン語では、特に発音区別符号が一般的に使われている。
過去には、発音区別符号を認めるいくつかの法案が州議会に提出され、可決にも至ったが、法案が施行されることはなかった。理由は、州のコンピューターシステム更新に多大なコストがかかるからだと伝えられている。
■登録はできなくても、名前としては使える
マスクさんとグライムスさんは名前を受理されないことで訴訟を起こせるが、そこまではしないのではないかとラーソンさんは話す。
「訴訟を起こしても、共感を呼べるとは思えません。訴訟を起こしても、おそらく負けるでしょう。そして私は、負けて然るべきだと思います」
「誰もが、こういった名前で人生を過ごすことを求められるべきではありません。これは誰かが、『私は自分の名前に発音区別符号をつけたい。これは、私の文化にとってとても重要な意味を持つものなんだ』と訴える議論とは全く違うものです」
マスクさんとグライムスさんが本気でこの名前をつけようと思っているのか、もしくは冗談かパフォーマンスアートなのかを知るのは難しいとラーソンさんは感じている。しかしどのような理由であっても、彼らが強くこの名前を望んでいるのなら、完全に諦めるべきではないとも話す。
「出生証明書に登録される名前がどんなものであれ、彼らはこの名前を、インフォーマルな形で使えるでしょう。親たちが、子どもをニックネームで呼ぶようなものです」
「名前は出生証明書やパスポートには記載されません。ただこの名前が発音があると仮定して言えば、その名前を家の中で呼ぶ時に使えできます」
ハフポストUS版の記事を翻訳しました。