新型コロナウイルス感染症について、症状のある人と無症状感染者がどの程度、濃厚接触者に感染させるかを中国・浙江省寧波市の研究チームが調べたところ、大きな差は出なかったことが明らかになった。
中国政府は無症状感染者を統計上の感染者として計上しておらず、一部では政府の方針に疑問の声もあがった。論文の作者は「寧波市のサンプルによるもので、それ以外の地域に適用できるとは限らない」と釈明している。
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■大きな差はなかった
この調査結果は、寧波市疾病対策センターの研究チームが、中国の医学雑誌に発表した。濃厚接触者への感染力を調べることを目的に、寧波市で発生した症状のある感染者157人と、無症状感染者30人についてそれぞれの濃厚接触者計2147人を追跡調査した。
その結果、全体の感染率は6.15%で▽症状のある人からの感染は6.30%▽無症状からの感染は4.11%だった。調査ではこの差について「統計学上、大きな差は出なかった」と結論づけている。
■研究チームが釈明
中国政府は、無症状感染者は統計上の「感染者」としてカウントをしていない。香港紙サウス・チャイナ・モーニング・ポストは、計上されなかった無症状感染者は4万3000人に上ると指摘している。
この調査結果が報道されると、中国では「なぜ無症状感染者を数字に含めないのか。見栄えが良くなるからか?」など疑問の声が上がった。
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これに対し、研究チームの一人は現地メディアの取材に応じ「データは真実です」としたうえで「寧波市のサンプルで、それ以外の地域に適用できるとは限りません」と釈明した。
この作者はあわせて「無症状の場合でも感染力はあります。しかし感染拡大防止策が効いているなかで、個人的には、大規模な感染は起こらないと思っています」と話した。