単語パズル「Wordle(ワードル)」への愛が、80歳の女性を恐ろしい状況から救った。
アメリカ・イリノイ州に住むデニーズ・ホルトさんは2月6日、深夜に侵入した不審者によって、自宅に監禁された。
ホルトさんを救うきっかけになったのが、5文字の単語を6回以内に当てる人気ゲーム「ワードル」のスコアを、娘に送らなかったことだった。
深夜の不審人物
CBSによると、ホルトさんは1人で就寝中だった6日の午前1時頃に目が覚め、室内に裸で血を流した不審者がいることに気付いた。不審者は手にハサミを持っており「大声を出したら刺す」とホルトさんを脅したという。
ホルトさんは「生きてこの状況を切り抜けるには要求に従うのが最善だと考え、自分でも驚くくらい冷静に対応した」とワシントンポストに話している。
不審者は寒さで震えており、ホルトさんの毛布を全て渡すよう要求した。しかし毛布だけでは寒さがおさまらず、シャワーを浴びることを要求した。
不審者は寝巻き姿のホルトさんも浴室に連れて行ったため、ホルトさんの寝巻きは水で濡れてしまった。
その後、不審者はホルトさんを連れまわして家中の電話を使えなくし、台所の包丁を奪った。そしてホルトさんを地下室のトイレに閉じ込めた。
ホルトさんは濡れた寝巻きのまま、寒さと空腹を抱えた状態で20時間近く閉じ込められた。その間、不審者はホルトさんに、食事も常用している痛み止めの薬も持ってこなかった。
ホルトさんは自分がどれくらい閉じ込められているのかわからなくなったものの、娘に教えてもらった瞑想の呼吸や、ストレッチ、室内を歩くなどして心を落ち着けた。
ワードルの習慣がホルトさんを救う
ホルトさんの2人の娘たちは、イリノイ州から遠く離れた西海岸に住んでいる。
しかし母親からメッセージの返信がなかった上に、いつものようにワードルのスコアを送ってこないことで、何かがおかしいと気付いた。
ホルトさんは「その日の朝、上の娘にワードルを送らなかったことが、彼女を不安にさせた」とCBSに語っている。
姉妹は連絡を取り合い、家族や友人が警察に状況確認を依頼。警察がホルトさんの家に向かい、数時間のこう着状態の後に、不審者の身柄を拘束した。
身柄を確保されたジェームス・H. デイヴィス容疑者は複数の刃物を持っており、ホルトさんが閉じ込められたトイレの外は、椅子でバリケードが築かれていた。
その後デイヴィス容疑者は、家宅侵入や加重誘拐などの罪で起訴された。警察によると、デイヴィス容疑者は メンタルヘルスの状況が悪化して服を脱ぎ捨て、ホルトさんの自宅に侵入した。
ハフポストUS版の記事を翻訳しました。