現在アメリカでは、妊娠中絶をめぐり、大きな議論が巻き起こっている。
5月頭、アメリカ連邦最高裁判所が「妊娠中絶は女性の権利」と認めた過去の判決を覆そうとしているという情報が広まったのだ。
そんな中、ニューヨーク在住のサブリナ・フォンフェダーさんはあるツイートを投稿した。
「男性が女性の体について決定を下すたび、これをツイートしているんだけど...。私の元カレは、女性はみんな、毎月15日に生理が来ると思っていたの。ちなみに彼は当時26歳だった」
エンタメ業界で働く彼女はその後のツイートで、元カレの勘違いを解説。
元カレは以前、あるコメディアンが「彼女を愛してる...毎月15日ごろ以外はね」というジョークを言っていたのを聞いた。このジョークでの「毎月15日」とは、おそらく「月一回」という意味で使われ、「彼女は月1回の生理時期はホルモンの影響で気分が不安定だけど、それ以外の時は愛してる」という意味と捉えられる。
しかし元カレはそれを聞いて、「女性はみんな自然と15日に生理が来るんだ」と思ったようだ。
このツイートは19万以上の「いいね」がつき話題となり、コメント欄は女性の体の機能について無知な元カレの話をシェアしたい女性たちのはけ口となった。
「私の元カレは、女性はいつでも好きな時に生理を始められると思っていたみたい。ある時なんて、彼の誕生日あたりに予定してくれないかって頼まれた」
「元夫は、私が妊娠している間、赤ちゃんは文字通りお腹(胃)の中にいて、私が食事をすると、食べ物が赤ちゃんの上に落ちると信じていた」
「私が生理中にワインを飲むと話した時、23歳の元カレは激怒した。彼は生理は妊娠と関係するから危険だと思っていたらしい」
「妊娠中、つわりで吐いてたら、夫が私に怒って叫んだの。赤ちゃんも吐き出すんじゃないかって本気で思ったみたい」
「生理中、女性は出血するということを元カレに教える必要があった。彼は、生理は毎月1週間、女性の機嫌が悪くなる時期のことだと思っていたらしい。ちなみに元カレは当時34歳だった」
「女性は生理に対して文句を言うべきじゃないって言った元カレがいた。生理用タンポンで快楽を得ているんだからって...。ちなみに彼は医学部進学過程の学生だった」
など、多くの女性が過去に付き合っていた男性の勘違いをシェアした。
男性たちの口から明らかになった女性の体や生殖機能についての誤解や無知は、アメリカの学校における包括的性教育の早急な必要性を明らかにしたと言える。
アメリカ性情報・教育評議会によると、性教育の重要項目として米CDC(疾病対策センター)が挙げている項目を教えているのは、全米の高校の38%、中学校の約14%だけだという。これらの項目には、健康的な交際や避妊、中絶、性感染症への授業が含まれる。
日本はどうだろうか?
フォンフェダーさんは、彼女のツイートへの反応から、より良い性教育の必要性を強く感じたと言う。しかし、彼女の本当の意図は、女性の生殖機能や体について理解できない男性たちが、それらに関する法律を決めるべきではない、ということだ。
選挙で選ばれた議員の過去の勘違い発言を思い出してほしい。ミズーリ州のトッド・エイキン元下院議員は、レイプに関して「本物のレイプであれば、女性の体は全てをシャットダウンする方法がある」という悪名高いコメントをしている。
また、テキサス州の元代議士であるダン・フリン氏は、2013年に提案された同州の中絶禁止法の主要な立案者だが、実際は中絶の仕組みを全く知らなかったようだ。彼は中絶が女性の体にメスを入れるものだと思っていたようだ(帝王切開の勘違いしていたのだろうか?)。
「私のツイートにコメントされた元カレたちの話はどれも馬鹿げていますが、そのどれよりも馬鹿げているのは今の国会議員たちが言っていることです」とフォンフェダー氏は述べる。
彼女は重要な話題をコミカルに伝えるだけでなく、議員が女性の体や生殖医療を法制化するつもりなら、少なくとも中学3年生レベルの生物くらいは知っておくべきだ、とツイートを見た人たちに気づいてほしいと願っている。
ハフポストUS版の記事を翻訳・編集・加筆しました。