アームストロングさんの爪の長さは、両手合わせて1,306.58センチ。
これはNBAのスター、レブロン・ジェームズ選手の身長(2メートル6センチ)を6倍しても、さらに60センチ以上長いことになる。
また、最も長い右手の親指の爪は138.94センチで、最も短い左手の小指は109.2センチだ。
ギネス世界記録の声明で、アームストロングさんは「母の爪が長かったので、私も子ども頃から同じように伸ばしていました」「いつも爪を長くしていたけれど、これほど伸ばしたことはない」とコメントしている。
爪を伸ばすきっかけになった、悲しい出来事
アームストロングさんが爪を伸ばすようになったのは、ある悲しい出来事がきっかけだった。
彼女が最後に爪を切ったのは1997年。この年、16歳だった娘のラティーシャさんが、喘息の発作で亡くなった。
いつもアームストロングさんの爪の手入れを手伝ってくれたラティーシャさん。亡くなる前夜も、爪を磨いてくれた。そのためアームストロングさんは、娘を失った後、悲しみから爪を切れなくなった。
アームストロングさんは爪を伸ばす理由を誰にも教えず、長い間子どもたちにも秘密にしていた。理由を明かすと「なんで教えてくれなかったの」と言われたという。
「子どもたちは、周りの人たちから爪のことをあれこれ言われ、恥ずかしい思いをしていました。そのことを申し訳なく思いました。ですから『爪を切ってと言ってもいいけど、私にはできない』と伝えました」
理由を明かした後、子どもたちは爪を伸ばすことを受け入れるようになった。
今はアームストロングさんの孫たちが、長く伸びた爪の手入れを手伝ってくれている。爪の根元のケアやマニキュアを塗るのにかかるのはおよそ5時間。マニキュアは15〜20本も使うため、4〜5年に一度しか塗らないという。
爪を伸ばすことで、日々の生活に制約も生じている。
例えば、アームストロングさんはファスナー付きの洋服は避けており、冷蔵庫の扉を開ける時は、足を使っている。それに運転も諦めた。
そうした中、爪がギネス世界記録に公式認定されたことは、アームストロングさんとって喜びだった。
「あの夜、最後に私の爪を手入れしてくれたティーシャも、誇りに思ってくれるはずです。私は爪を伸ばし続け、娘を思い続けます」
ハフポストUS版の記事を翻訳しました。