自宅でシャツを脱いで上半身裸になっていた女性が、トップレス姿を義理の子どもたちに見られたことで訴えられている。
訴えられたのは、アメリカ・ユタ州に住むティリ・ブキャナンさんだ。
AP通信によるとブキャナンさんと夫は2017年末と2018年初めに、自宅のガレージで作業中に汚れないようシャツと下着を脱いだ。
13歳と10歳と9歳の義理の子どもたちがガレージに入ってきた時、彼女と夫はトップレスだった。
ブキャナンさんは自身を、フェミニストだと説明する。子どもたちがブキャナンさんのトップレス姿を見て恥ずかしがったため、「これはいやらしいものではないんだよ」と説明。「私は夫と同じ格好をできるべき。だから恥ずかしがる必要はない」と伝えた。
しかし、この出来事を知った子どもたちの生みの母親が当局に通報し、ブキャナンさんは2019年2月にわいせつ罪で訴えられた。ブキャナンさんと全く同じ格好をしていた夫は訴えられていない。
2019年2月に警察から電話を受けたとき「大きなショックを受けた」とブキャナンさんは地元の新聞ソルトレーク・トリビューンに話す。「子どもたちに教えようと思ってやったことです。その気持ちが踏みにじられたようでした」
一方で検察は、アメリカ社会では一般的に裸の概念に女性の胸が含まれており、裁判所はこれまで社会のモラルにあった法律を支持してきたと主張する。
NPRによると、有罪が確定すれば、ブキャナンさんには懲役刑や罰金が課され、性犯罪者として10年間登録される可能性がある。
ブキャナンさんは検察と闘う姿勢をみせている。11月19日に開かれた法廷審問の後に「これはプライベートな自宅の中での出来事です。私の夫は私の横で私と全く同じ格好をしていました。それなのに彼は起訴されていません」と、不平等な扱いに抗議した。
ブキャナンさんの弁護士も、「胸をだす」という行為に対して男性と女性で違う判断をしているユタ州の法律は、女性差別であり平等を定めた憲法に違反すると話す。
「ユタ州の法律には、女性の体のこの部分はひわいであり、男性はひわいではないと書かれている。それはとても不平等で不公平です」とブキャナンさんを弁護するリア・ファレル弁護士は強調する。
カラ・ペティット裁判官は、これはとても重要な問題なのですぐに判決は出ないと話しており、判決には2〜3カ月かかると見られる。