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アメリカ魚類野生生物局は12月8日、知られている中で世界最高齢の野鳥であるコアホウドリのウィズダムが、ミッドウェイ環礁国立自然保護区に戻ってきたと発表した。
魚類野生生物局によると、ウィズダムは推定年齢71歳以上。これまでに50〜60個の卵を産み、約30羽のヒナを独り立ちさせたと考えられている。
コアホウドリのペアは、毎年同じ巣で卵を1個産む習性がある。ウィズダムも2012年からのパートナーのアケアカマイと一緒に、北西ハワイ諸島のミッドウェイ環礁にある巣に毎年戻ってきていた。
2羽は、ウィズダムが少なくとも70歳だったと考えられる2021年2月にも、卵をかえしている。
ただし、魚類野生生物局によると、アケアカマイの姿は今回まだ確認されていない。
初めて足環をつけたのは60年以上前
研究者たちが、ウィズダムを識別する手がかりにしているのが足環だ。
鳥類学者のチャンドラー・ロビンス氏が初めてウィズダムに足環を付けたのは今から60年以上前の1956年だった。ロビンス氏は2002年に再びミッドウェー環礁を訪れ、この足環番号「Z333」を付け替えた。
ロビンズ氏は2017年に98歳で亡くなる直前に「ウィズダムは年月をかけて、海鳥を脅かす危険の多くを回避する方法を学んだのだと思います」と、リビングバード誌に語っている。
ロビンス氏によると、最初に足環をつけた時、ウィズダムは津波はこないものの、電線に近くトラックが行き来する場所の近くに巣を作っていた。
しかしそれから何年か後に再び遭遇した時、ウィズダムはそういった危険のない場所に巣を移していた。
コアホウドリがウィズダムほど長生きするのは極めて珍しく、ワシントン・ポストによると、「足環は別のコアホウドリに付け替えられたのでないか」と考える人たちもいる。
しかし、科学者たちはウィズダムほど高齢のコアホウドリが極めて珍しいと認めつつ、同じ鳥だと確信しているようだ。
海鳥生態学者のリチャード・フィリップス氏は2021年「アホウドリは非常に長生きですが、ウィズダムは他の鳥よりもはるかに年をとっている」 とニューヨーク・タイムズ紙に語っている。
フィリップス氏が知る限りでウィズダムに続く2番目に高齢な野生のアホウドリは、9歳年下で当時61歳だという。
ハフポストUS版の記事を翻訳しました。