リモートワークやワーケーションなど、働き方が多様化する現代。次世代を担う高校生たちは、どんな未来を描くのだろうか?
フレキシブルオフィスを展開する WeWork Japanが、 WeWork の入居メンバーであるDeNA やABCash Technologiesとともに、高校生たちと“未来の働き方”について学ぶイベントを2022年11月16日に実施した。
次の世代を担う子どもたちの育成プログラムの一環として開催されたこの「 WeWork Japan 企業訪問 」。NPO法人みんなのコードがコーディネートを手がけ、東京都・新渡戸文化高校2年生が課外授業として WeWork 渋谷スクランブルスクエア拠点を訪問。
WeWork Japanをはじめ、 WeWork のメンバーであるDeNA、ABCashが行う3つの授業に参加した。
1時間目の授業は WeWork Japanが担当。「未来の働き方を考えよう」をテーマに、 WeWork Japan 人事部長兼CSR統括の井達真弓さんが登壇した。
「カフェみたいでテンション上がる!」自由な働き方に驚き
初めに、オフィスのイメージを尋ねると「机があって人が横一列に並んでいる場所」などと答えていた生徒たち。井達さんは、戦後に拡大した“教室型”のオフィスから現代のテレワークまで、「働き方の変化」を解説した。
すると、生徒たちは未来の働き方について「コワーキングスペースがさらに増える?」「メタバースで働く?」など、次々と想像を広げていった。
さらに、授業では省エネなどを目指すサステナブルなオフィスの重要性についても学習。
WeWork 渋谷スクランブルスクエアのフロア見学時には、壁に飾られたアート作品やカフェスペースを見ながら「美術館みたい」「カフェっぽくてテンションあがる!」と歓声があがる場面も。
生徒たちは、特にソファで談笑したり、個室で集中したり、思い思いのスタイルで働く人々に驚いた様子だった。
オフィス見学は初めてという生徒が多数だったが、「1日中いても居心地がよさそう」「働く=お金のために我慢と思っていたけれど、大人も楽しそう、未来に希望を持てた!」「 WeWork の企業同士のコラボでイノベーションが起こることや、環境に配慮しているオフィスが素敵」などの声が聞かれた。
正解がないことにチームで立ち向かう
2時間目のテーマは、「チームで働くってどんなだろう?」。DeNA技術統括部エンジニアリング室 平子裕喜さんが、グループディスカッションなどを実施した。
一番の盛り上がりを見せたのは、「チーム名を考えよう」というセッション。3チームに分かれ、それぞれ「最強にテンションが上がって、面白いチーム名」を話し合うという難題だった。
生徒たちは、「とにかくたくさんアイデアを出す」というアドバイスのもと、ポストイットに次々とチーム名の案を書き出していった。
その後、話し合いをしながら無事チーム名を決定。振り返りでは、「Keep (うまくいったこと)」「Problem(問題点、阻害要因)」「Try(改善点)」「Fun(楽しかったこと、嬉しかったこと)」を出し合う試みも。
生徒からは「チームで共感できることがたくさんあると気づいた」「普段学校では学べない新しいまとめ方を学べた」など感想が聞かれた。平子さんは、「正解がないことに対してチームで向かっていくことが大切。自分で何度も試して、経験を蓄積してほしい」とまとめた。
1円玉の大きさは? その答えからわかるお金の価値観
3時間目の授業は、「人生100年時代のお金の話」。講師は「お金の不安に終止符を打つ」をミッションに掲げる、金融教育ベンチャー・ABCash Technologies HR戦略部責任者の中原有望さんだ。
2022年度から「学習指導要領」に盛り込まれるなど、国が子どもたちへの金融
教育に力を入れている今。まず、授業で与えられたのは、「1円玉の大きさと同じ円を紙に描いてみる」という課題だ。
大小様々な円を描いた生徒たちは、本物の1円玉と比較し「あれ、全然違う?」などと驚いた様子。さらに「円が小さいほど、1円に対する価値観が低い傾向にある」と意図を明かされ、これまでとは違った方法でお金に向き合うことに。
投資やお金を守ることなどを学んだ後、生徒たちは「将来、どういう生活をしたいか、どういう人生を送りたいか」を発表し合った。
さらに、将来に向けて自分の強みを見つけるべく、「好きなこと」をポストイ
ットに書き出し、「T(Thinking)」「C(Communication)」「L(Leadership)」に分類。
最後に、中原さんは「どういう行動に“時間”を投資するか」を考えることの大切さを解説。
生徒たちは「気になったことをとことん調べる」「積極的にコミュニケーションをとる」など、すぐに始められる“時間の投資”のアイデアを出し合った。
多様な入居メンバーと協力し合える強みを生かす
今回のイベントの狙いについて、井達さんは、次のように語った。
「 WeWork はこれまでも環境に配慮したオフィスづくりなどのサステナビリティ活動を続けてきました。今回は、次世代の人材育成を目的とした新たな取り組みです」。
「多様な業種の入居メンバーと協力し合い、一度に様々な体験を提供できるのは、 WeWork Japanならではの強みです。今後は地域や対象者を拡大することも検討し、継続的にイベントを開催していきたいです」。
フレキシブルオフィスの強みを活かしながら、企業と高校生たちが、働き方やお金について話し合った今回の課外授業。「建築家になりたい」「教育関係職に就きたい」などと夢を語っていた生徒たちにとって、働くことを自分ごととして捉えるきっかけになったはずだ。
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■ WeWork Japan 合同会社
2010年に米・ニューヨークで創業した WeWork は、全世界38か国150都市以上700拠点以上*でフレキシブルオフィスを展開。
WeWork Japan は、2018年2月に国内初となる拠点を東京で開設。創造性や生産性が高まる空間デザインを用いたワークスペースにおいて、月単位での契約、1名から数百名規模の拡大・縮小や、国内30拠点以上の横断的な利用が可能なプロダクトや、柔軟なオフィスソリューションを提供している。また、スタートアップから大企業、自治体やNPO団体など、多種多様なメンバーが入居する WeWork では、業界業種や企業の壁を越えたコミュニティが形成され、ビジネスにおけるコラボレーションを多く創出してきた。
「変化は、ここで創造する。」 WeWork Japan は、今後も新時代の多様な働き方を支援し、イノベーションやコラボレーションを促進する新しいオフィスの価値を提案する。
* 2022年9月時点
(撮影:西田香織、取材・文:磯村かおり)