アメリカの人気歌手「ザ・ウィークエンド」は、グラミー賞を永久にボイコットすると3月11日付けニューヨークタイムズの記事で明かした。
2021年のグラミー賞は、ザ・ウィークエンドをノミネートしていなかった。
ボイコットの理由を「グラミー賞の選考委員が公表されていない」ためで、「今後自分の作品をエントリーしないようレーベルに求めた」と説明している。
現在のグラミー賞では、まずグラミー賞を主宰するレコーディング・アカデミーの委員である音楽の専門家たちが、エントリーされた作品から投票でノミネート作品を選ぶ。そして選考に残ったものの中から、匿名の専門家委員会が最終ノミネート作品を決める。
この選考プロセスについて、ドレイク、カニエ・ウェスト、フランク・オーシャンなど多くの黒人ミュージシャンが「白人以外のミュージシャンに不公平だ」と批判してきた。
ニューヨークタイムズによると、黒人アーティストで最後に最優秀アルバム賞を受賞したのは、2008年に受賞したジャズのレジェンド、ハービー・ハンコックだ。
ザ・ウィークエンドはこれまで3回グラミー賞を受賞している。しかし彼の最新アルバム『After Hours』は、商業的な成功を収め、高い評価を得ているにも関わらず、2021年のグラミー賞にノミネートされなかった。
ノミネート作品が発表された2020年11月に、ザ・ウィークエンドはグラミー賞は「腐敗しており」「透明性に欠ける」と批判した。
ザ・ウィークエンドの投稿:「グラミー賞は腐敗している。私やファンや音楽産業に対して、透明性を保つ責任がある」
ザ・ウィークエンドのボイコットについて、レコーディング・アカデミーのハーヴェイ・メイソン・ジュニア最高経営責任者代行は「私たちに対して腹を立てている方がいることを、残念に感じます」とYahoo!US版にコメント。
そして「私たちは、成長を続けており、これまで同様に、受賞プロセスの改善を真剣に検討します。改善には選考委員会も含まれます」と、選考プロセスの改善を示唆した。
2021年のグラミー賞は、カリフォルニア州ロサンゼルスで3月14日(日本時間3月15日)に開催される。
ハフポストUS版の記事を翻訳しました。