同性愛への理解を進めるために制作されている男性の『ヌードカレンダー』が、ロシアの税関を通らず、突き返されている。
カレンダーを制作しているのは、イギリスのウォーリック大学ボート部。2009年からこのチャリティー企画をスタートし、ヌードになった男性部員たちが登場するカレンダーを毎年発売している。収益は慈善活動団体に寄付される。
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カレンダーのプロデュースと撮影を手がけるフォトグラファー、アンガス・ヤング氏によると、オンラインでカレンダーを購入した人に宛てた品物を船便で送ったが、ロシアの税関を通らず、商品が返品されているという。
ロシアは2013年6月、未成年に対して公の場で、ゲイなどの「非伝統的な性的関係」を知らしめる行為を禁止する「同性愛宣伝禁止法」を制定した。など、国内で同性愛者の権利拡大に否定的なことで知られる。
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ヤング氏は、この「同性愛宣伝禁止法」によってカレンダーが禁止されてしまったのではないか、と推測している。
CNNによると、ロシアは2013年、「同性愛の宣伝活動」を未成年に広めることを禁じる法律を制定。同性愛を「非伝統的な性的関係」と表現し、子どもが耳にする場で、同性愛者の権利や関係について公に発言することを禁じた。
同性愛を禁止する法律は旧ソビエト時代にも存在したが、ソビエト崩壊後の1993年に廃止され、99年には同性愛が精神疾患のリストから外された。ところが、反同性愛法の制定により、同性愛に否定的な表現が文書に記された。
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ヤング氏は、「憎悪と偏見の目に晒されているロシアのファンのことを思うとやりきれない」と語っている。