私たちは皆、飲酒運転が危険だと知っています。でも、疲れているときの運転はどうでしょう? アメリカ人の60%以上が、2015年だけで少なくとも1回は眠気を感じながら運転をしたことを認めています。アルコールと同様、睡眠不足は私たちの判断力を低下させ、致命的な事故につながる危険性を高めます。
1982年から2014年の間に、飲酒運転による死者は半減しました。これは、飲酒運転に対する社会の認識を変えようと、政府、非営利団体、そして安全対策の専門家が一丸となって努力した結果です。このキャンペーンのおかげで、大勢の人が真剣にこの問題を考えるようになりました。
飲酒運転の危険性は十分に知られるようになりましたが、居眠り運転の脅威は静かに広がっています。疲労運転による事故は年間120万件に上り、8000人が犠牲になっているという調査結果があります。驚くような数字ですが、さらに驚く調査があります。17〜19時間、眠らずに起きていると(多くの人にとって珍しいことではないと思いますが)、血中アルコール濃度0.05%相当まで認知能力が下がるというのです。0.05%というのは、アメリカで運転できる法定飲酒上限ギリギリです。しかもさらに数時間起きていると、その値は0.1%になります。これは飲酒運転に相当します。
私たちは「居眠り運転は危険だ」ということに気付かなければなりません。そのために、ハフポストUS版はトヨタ、そして配車サービス「Uber」(ウーバー)と協力して、この問題に対する社会の関心を高め、多くの命を救う取り組みを始めます。車の相乗りが飲酒運転を防いできた実績を、私たちは見てきました。だから居眠り運転にも効果があると確信しています。Uberがシアトルでサービスを開始して以来、酒気帯び運転による逮捕が10%減りました。カリフォルニア州では、30歳以下の飲酒運転事故が一カ月で60%も減少しています。
オフィスで遅くまで働いている従業員が安全に帰れるように、Uberの配車サービスを利用している企業があります。大切な人が疲れているときには、運転させないでスマートフォンでUberを呼んであげて下さい。
居眠り運転をしたことがない人であっても、1度や2度は疲弊した状態で運転したことがあるのではないでしょうか。私たち2人は、CEOとして何週間も何カ月間も眠れぬ夜を過ごしてきました。今でもそうです。だけど多くの医者や心理学者、ビジネスパーソンと同じように、睡眠が健康や幸福、成功に重要なものだということを理解するようになりました。そして運転するときには、睡眠は安全を意味します。
アリアナ・ハフィントンは、5月にアメリカのデンバー、ラスベガス、ナッシュビル、シカゴ、そしてサンフランシスコ・ベイエリアにある大学のキャンパスを訪れます。彼女の睡眠講義に関心がある方は、Uberで配車を依頼してみて下さい。一緒に乗車するチャンスがあるかもしれません。
居眠り運転ストップキャンペーンの一環として、トヨタが学生の皆さんに無料での深夜乗車を提供してくれます。Uberとハフポストは、危険な運転をするドライバーを減らすために、スマートフォンに搭載されたGPSと加速度計を使ってデータを集め、危険運転のパターンをみつける取り組みを行います。
飲酒運転のように居眠り運転が社会で受け入れられなくなるよう、このキャンペーンに参加して下さい。最後にアメリカ道路交通安全局の長官マーク・ローズキンド博士の言葉を紹介したいと思います。「誰もが飲酒運転したり、スマートフォンでメールしながら運転をするわけではありません。しかし、疲れることは誰にでもあります。そして十分な睡眠をとらずに運転して、自分自身やまわりの人を危険にさらすことが、あまりに多すぎます」
ハフポストUS版に掲載された記事を翻訳しました。