今年1月に公開されたビデオ共有アプリVineに最近思わぬきっかけから注目が集まっています。Vineは6秒という短さからTwitterのビデオ版ともいえますし、ソーシャルメディアでの共有が簡単な点はInstagramのビデオ版ともいえるでしょう。
スマートフォンから写真を共有するのにInstagramというアプリを使っている皆さんも多いとおもいます。昨年Facebookが突如10億ドルで買収したことでメインストリームのメディアからも大きな注目を集めました。アプリを立ちあげたらシャッターを押すだけでFacebookやTwitterなどのソーシャルメディアに投稿できること、ワンタッチで色調や明るさを調整するフィルタをかけられることが爆発的に成長できた要因です。写真はすべて正方形にトリミングされ、ひと目でそれとわかることも認知度を高める上で有効でした(ダウンロードはこちらから)。
Instagramに似て、Vineで動画クリップを作るのもアプリを立ち上げて画面を押すだけです。6秒間のうちどこまで撮影したか画面下のプログレスバーに緑色で表示されます。指を離せばストップ、押せば再スタートします。6秒分を撮影したらVineのモバイル・サイトやTwitterにワンタッチで投稿できます。目下トルコで起きている激しい反政府デモの模様がVineのビデオで大量に共有されています。
このデモの発端は公園の再開発計画に対する学生の抗議でしたが、根はもっと深いところにあります。もともとエルドアン首相はイスラム原理主義を扇動したとして服役したこともある保守派イスラム主義者です。エルドアン党首の公正発展党は2007年の総選挙で政権を獲得して以来、経済発展には成功しましたが、姦通罪復活や女性に対するスカーフ着用を義務付けようと試みるなどイスラム原理主義的な政策が軍や学生などの世俗派の強い反発を招いていました。この点、エジプトのムバラク政権に対する反政府運動を始め、最近の中東の反政府運動にイスラム原理主義色が強かったのとは対照的です。
しかし政府側がソーシャルメディアを敵視するのは同じ。エルドアン首相はソーシャル・メディアは最悪の社会の脅威と非難し、「虚偽の政治宣伝を行った」という理由でTwitterユーザー25人を逮捕するなど他の中東政府と同様の強硬姿勢を続けています。YouTubeなどへのアップロードはある程度手間と時間がかかるのに対してVineのビデオは短く、撮影と同時にほとんど瞬時にTwitterに公開され、全世界からアクセス可能になるというところが権力側からすると不都合な特徴と思えるのでしょう。
ただソーシャルメディアの利用のされ方にはやはりエジプトとトルコでは大きな違いがあるようです。エジプトの場合は国外在住エジプト人による「支援」のツイートが大部分だったのに対して、トルコの場合は90%が国内から発信されているということです。
Shifting fences and watercannons. A Vine view of events in turkey. #turkey#occupygezi vine.co/v/b3amzhdEFiZ
—
Amin Musa (@aminmusa) June 02, 2013
SaintBenoit! #dayangeziparki#occupygezi#bubirsivildirenis vine.co/v/b356YEmje1l
—
BaşakKaya (@agizmatematigi) June 03,2013