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5月に経営破綻したデジタルメディアVice(ヴァイス)の幹部が、破産申請の数週間前に、巨額のボーナスを受け取っていたことが明らかになった。
その一方で、Viceは解雇された従業員やフリーランスの人たちに対する報酬の支払いが滞っている。
Viceは4月27日、エミー賞を受賞したことがある看板番組「Vice News Tonight」の打ち切りなどに伴い、1500人の従業員のうち100人以上の解雇を発表した。
しかし裁判所に提出された書類によると、大量解雇を発表した翌日の4月28日に、Viceの上級幹部たちには合計100万ドル(約1億3900万円)を超えるリテンションボーナス(残留特別手当)が支払われていた。
そのうちの一人で、多くのスタッフが解雇されたニュース部門トップのサブラタ・デ氏が受け取った金額は約20万1000ドル(約2800万円)だった。
他にも、年収60万〜80万ドル(約8300万〜1億1100万円)の幹部たちに、6桁の額のボーナスが支払われた。
Viceメディアは5月中旬に、正式に経営破綻を発表。その後、解雇した従業員やフリーランスの人たちへ未払い給与や解雇手当支払いが滞っている。
セマフォーによると、同社は4月と5月に解雇した従業員への解雇手当を支払えていないほか、人事担当者は7月の解雇者についても支払いが遅れると発表した。
同社の組合「Viceユニオン」は、支払い遅延により家賃や医療費などの生活費が支払えない元同僚を支援するため、独自のクラウドファンディングを立ち上げている。
同組合は7月11日、大量解雇の翌日に幹部らに多額のボーナスが支払われたことを非難する声明をTwitterで発表。「誤った管理体制と企業欲の蔓延が原因で財政難に陥った」と訴えた。
「解雇から24時間も経たないうちに、幹部たちには金が支払われました。幹部らがこういった行為を幾度となく繰り返してきたせいで、会社は立ち行かなくなった」
「私たち組合に、今それを変えることはできない。ただこれらの幹部に対して、『我々はあなたたちを見ている』と告げたい」
Viceは1994年に設立され、トレンドに敏感なアングラカルチャーマガジンから、強固なメディア帝国へと成長した。あらゆるテーマに取り組む姿勢と調査報道で知られ、2017年には57億ドルの企業価値があると評価された。
ハフポストUS版の記事を翻訳しました。