アメリカ・ユタ州グレンキャニオン国立保養地のパウエル湖にあった観光地「ダブルアーチ」が8月8日、崩落した。
ダブルアーチは、1億9000万年前(三畳紀後期〜ジュラ紀初期)にナバホ砂岩で形成された地形で、「便器」や「屋根の穴」というニックネームでも呼ばれていた。
そのニックネームが示す通り大きな穴が空いたような地形で、観光客が穴の部分から湖に飛び込んだり、周辺を泳いだりする人気スポットだった。
しかし崩壊後は、アーチ状の構造そのものがなくなってしまった。
【ビフォー/アフター📸】崩壊前と崩壊後のダブルアーチの写真
国立公園局は9日、「細粒砂によって作られたダブルアーチは、形成されて以来、天候や風、雨による剥離や浸食にさらされてきました。最終的に崩壊を引き起こしたのは、水位の変化と波による浸食だと考えられます」と述べている。
8日も多くの観光客がダブルアーチを訪れており、崩落の数時間前に、岩の一部が水中に落ちて水しぶきが上がる様子も撮影されていた。
パウエル湖でボートに乗っていたメリル・キャンベルさんは「一緒にいた人たちが、アーチの下の方にあった大きな岩の破片が湖に落ちるのを目撃していました。フォルクスワーゲンのような大きさの岩でした」と地元テレビ局KSL-TVに語っている。
国立公園局によると、崩落による負傷者は報告されていない。
グレンキャニオン国立保養地管理責任者のミシェル・カーンズ氏は「こういった地形には寿命があり、人為的な介入で影響を受けたり損傷を受けたりする可能性がある」とコメントしている。
「今回の崩落の原因はわかりませんが、私たちは将来の世代が楽しめるように、パウエル湖の資源保護活動を継続していきます。自然資源を楽しんでほしいですが、ダメージを与えないようにしてください」
ハフポストUS版の記事を翻訳・編集しました。