「NHK紅白歌合戦」史上初めて、アニメキャラクターの「ウタ」が紅白歌手を務めます。
ウタは、人気漫画『ワンピース』の劇場版『ONE PIECE FILM RED』の主要キャラクターの一人。2022年8月に公開された本作品は、連載開始25周年を記念して原作者の尾田栄一郎さん自らが総合プロデューサーを務めた肝入りの映画です。
興行収入180億円を突破し、11月時点で国内動員数1300万人を記録している、2022年を代表する大ヒット映画となっています。
紅白の後半のトップバッターに抜擢されたウタとは、一体どんなキャラクターなのでしょうか?
「世界で最も愛されている歌手」ウタとは?
ウタは劇場版オリジナルキャラクター。主人公のルフィの幼なじみで、ルフィに麦わら帽子を託したシャンクスの娘です。
「私の歌があれば、皆が平和で幸せになれる」ーー。映画は、そんな「世界で最も愛されている歌手」のウタを中心にストーリーが展開していきます。
漫画本編に直接は登場しないものの、ルフィやシャンクスの言動の影にウタが繋がっているのでは、とファンの間で様々な憶測が盛り上がりました。
キャラクターボイスは『コードギアス』シリーズのナナリー・ランペルージ役や『僕のヒーローアカデミア』葉隠透役などを務めてきた声優の名塚佳織さん。歌声は「うっせぇわ」で2020年にメジャーデビューを果たしたAdoさんが担当しています。
映画公開前から、Vtuberの形でウタが「ウタ日記 UTA diary」と題した動画シリーズを配信するなど、今までにない発信方法で注目を集めていました。
映画公開後もサイリウムや手拍子OKなどライブのように映画を楽しむ「ウタLIVE in 映画館《無発声応援上映》」や、尾田栄一郎さんと監督・谷口悟朗さんの裏話を聞きながら映画を観る「副音声」上映などの企画を打ち出し話題を集めています。
ちなみに、歌手のアニメキャラクターで話す声と歌う声をそれぞれ違う人が担当するのは、そんなに珍しいことではありません。例えばアニメ『Angel Beats!』や『マクロスΔ』、『パリピ孔明』などの作品でもボイスキャストと歌唱キャストが分けられています。
素顔を明かさないアーティストAdoさんとは?
紅白でも披露される予定の、Adoさんがウタとして歌う主題歌『新時代』は、音楽プロデューサーの中田ヤスタカさんが作詞作曲、演出振付家のMIKIKOさんが振り付けを担当しました。
他にもMrs.GREENAPPLEが『私は最強』、Vaundyが『逆光』、FAKETYPE.が『ウタカタララバイ』、澤野弘之さんが『Tot Musica』、折坂悠太さんが『世界のつづき』、秦基博さんが『風のゆくえ』と、豪華アーティストたちが楽曲を提供しました。
Adoさんの多彩な歌声と総勢7組の豪華アーティストとのコラボ楽曲は、映画公開前から徐々に公開され、話題を呼んでいました。
紅白出場が決まったウタにAdoさんは映画の公式サイトに応援コメントを寄せました。
「紅白歌合戦初出場おめでとうございます。歌姫としてキラキラと輝き続けるあなたが今回この舞台に立つことを心からうれしく思います。当日はあなたのパフォーマンスで私たちの”今”を鮮やかに彩ってきてください。そして、全ての人達に夢を見せてもらえたらと想います。応援しています」
Adoさんは、高校生でメジャーデビューし、現在20歳。一貫して素顔を明かさずに活動しています。
ボカロ曲などを歌う「歌い手」として活動を始め、メジャーデビュー曲の『うっせぇわ』は「2021ユーキャン新語・流行語大賞」のTOP10に入りました。
その後も『ギラギラ』『踊』など数々のヒット曲を叩き出し、2022年10月にはアメリカのレーベルとパートナーシップを締結し、全米進出を果たしました。
ONE PIECE スタッフ【公式】のTwitterには、紅白のステージで用意しているというサプライズを匂わせる漫画が投稿されていました。どんなスペシャルステージになるのか、注目です。