福岡市内の林道で保護されたサルのような動物。それは本来、日本には生息していない外来生物だった。登山が趣味のTwitterユーザーの「えねる@山飛家」さんが8月28日、「山でこんなのとエンカウントしたら普通にビビるよね?」とTwitterに動画を投稿したところ、29日午後8時現在で約2万7000回もリツイートされるなど反響を呼んでいる。
■初めは「死んでいるイタチ」かと思って撮影していたら……
ハフポスト日本版では、動画を撮影した「えねる」さんに取材した。この動物が撮影されたのは28日午後1時ごろ。福岡市内の山中をハイキングした帰り道、「花乱の滝」付近の登山口前の林道で、全く知らない生物に遭遇したという。
動画には、舗装路にうずくまっている数十cmの茶色い動物が映っている。えねるさんは、初めは死んでるイタチと思って撮影していたところ、むっくりと起き上がって近寄ってきため、大変驚いたという。
見るからに外来種でサルの一種かと思った。「保護しなきゃ」と、この動物を袋に入れて持ち、バイクに乗って、近隣の交番にこの動物を連れていった。「脱走しようとするので、あやすのが大変でした」と振り返る。
交番で保護されてまもなく、福岡市内のペットショップから逃げ出した動物であることが判明。同日中にこのお店が引き取ったという。その正体は、アライグマの仲間で中南米のジャングルに生息する「キンカジュー」だった。
樹上で主に果物を食べて生活している。動物園で飼育されるほか、ペットとして飼育されることもある。ただし、鋭いかぎ爪や歯を持っているため飼育には注意が必要。2006年には俳優のパリス・ヒルトンさんがペットのキンカジューに噛まれて破傷風の予防接種を受けている。
えねるさんは「飼い主の元へ戻れて本当に良かったです。お腹空いているハズなので、沢山ゴハン食べてほしいです」と安堵した様子だった。
■えねるさんとの一問一答
―― 最初にキンカジューをご覧になったときのことを教えてください。
初めは「死んでいるイタチ」と思って撮影していたのですが、動いたので物凄く驚きました。
―― 起き上がって追いかけてきたときにはどう思いましたか?
全く知らない生物だったので、かなり警戒しました。噛まれたり引っかかれたりしたら感染症などが心配でしたし。
―― 動いてる姿を見て、どんな動物かと思いましたか?
動き初めてからはサルだと思いました。でも顔がサルっぽくないのでマングースかとも思いましたが、骨格がサルっぽかったので、結果的にサルと判断しました。
―― 交番に届けようと思った理由は?
見るからに外来種でしたので、保護しなきゃと思い、初めは保健所に電話しました。でも保健所が休みだったので交番に連れて行きました。
―― バイクで交番で運ぶ上で苦労はありませんでしたか?
キンカジューが脱走しようとするので、あやすのが大変でした。走行中にキンカジューを落として怪我させたら可哀想ですし。
―― 飼い主の元に戻ったと聞いてどう思いましたか?
かなりホッとしました。飼い主の元へ戻れて本当に良かったです。お腹空いているハズなので、沢山ゴハン食べてほしいです。
――キンカジュー発見時の動画は2万回以上もリツイートされるなど非常に反響を呼んでいます。えねるさんご自身はどう感じていますか?
初めて山関連のツイートでバズったので嬉しかったです。これをキッカケに、皆さんも山登りに関心を持っていただければと思います。