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「百聞は一見にしかず」――その言葉を覆すような力強い表紙が、ノースカロライナ大学チャペルヒル校(UNC)の学生新聞「デイリー・ターヒール」の表紙を飾った。
UNCのキャンパスでは8月28日、銃撃事件が発生し、応用物理科学学部のジジェ・ヤン准教授が射殺された。
この事件で、同大大学院生のタイレイ・チー容疑者(34歳)の身柄が拘束され、殺人と教育機関での銃所持の罪で起訴された。
ヤン准教授はチー容疑者の指導教官で、ふたりはいくつかの研究論文に取り組んだこともあった。
デイリー・ターヒールは、学生たちにショックを与えたこの事件を紙面で取り上げた。紙面版編集長のケイトリン・ヤエダさんは30日、その表紙をXに公開した。
表紙に掲載されているのは、銃撃犯や警察、事件に動揺するUNCの学生の写真ではなく、 キャンパスで銃撃が発生したことを知らされた学生たちが、互いに送りあったテキストメッセージだ。
「大丈夫?」「どこにいる?」「一人?」「すごく怖い」「銃の音聞いた?」「どうか無事でいて」「ドアを塞いで。それかドアをロックできそうな場所があったら逃げて」
文字で埋められた一面からは、不安や恐怖、相手を心配する気持ちが伝わってくる。
ヤエダさんは「明日のデイリー・ターヒールの表紙です。UNCの学生たちが互いに送り合った、胸が締め付けられるようなメッセージをタイプしている間、私は涙が止まりませんでした」とつづっている。
事件発生後、UNCのキャンパスは3時間以上封鎖されたが、地元メディアのニュース&オブザーバーによると、デイリー・ターヒールのスタッフは、封鎖されたキャンパス内で、事件の発信を更新し続けた。
ヤエダさんの投稿した表紙はSNSで拡散し、反響が広がっている。
ニューヨークタイムズやワシントンポストなど大手メディアのジャーナリストたちも投稿をシェアし「素晴らしいジャーナリズム。悲しく悲劇的な出来事だが、、学生ジャーナリストたちは素晴らしい対応を見せた」「最高の学生新聞。なんという表紙だろう」「とても力強く、衝撃的だ」「これ以上の表紙を見たことはない」など、称賛している。
ハフポストUS版の記事を翻訳・編集しました。