イギリスで発見され、同国での感染拡大の一因になった新型コロナウイルスの変異株。
日本でも感染者が確認されているこの変異株は「感染力が強いだけでなく、従来の型よりも死亡率が高い可能性がある」とジョンソン首相が明らかにした。
高い感染力と死亡率
1月22日に開かれた記者会見で、ジョンソン氏は「変異株は感染力が強いだけではなく、より高い死亡率に関連しているという証拠があると報告を受けた」と説明した。
首相とともに記者会見したパトリック・バランス首席科学顧問によると、従来の型では60代の男性1000人のうち約10人の割合だった死亡率が、変異株では13人から14人だった。
バランス氏は、「現時点でデータには不確実性がある」としながらも「明らかに、懸念すべき点である」と警戒感を示した。
変異株は従来のウイルスより30~70%感染率が強いとされているが、ジョンソン首相は「これまでに明らかになっている証拠から、現在イギリスで接種されている(ファイザー社とアストラゼネカ社の)ワクチンは従来のウイルスと変異株の両方に有効だということを示している」と、述べた。
その一方で、バランス氏は「ブラジルと南アフリカで見つかった変異株はワクチンが効きにくい特徴がある」と懸念を示した。
同氏によると、ブラジルと南アフリカで見つかった変異株は感染力の強さも明らかになっていない。
ロックダウンの順守求める
ロンドンがあるイングランドでは、1月初めから厳しい外出制限を伴うロックダウンが続いている。
ジョンソン首相は「ロックダウンは必要な対策」と当面続ける意向を伝えると同時に、新規感染者が減少していることはロックダウンが効果を上げている証拠だとして、規制の順守を求めた。
またいつ、どのように規制を緩和するかはまだ決まっていないものの「規制を解除して感染が広がり、再びロックダウンを強いられるよりも、適切なタイミングで慎重にロックダウンを解除することを人々は望んでいる」として、今回のロックダウンを最後にしたい意向を示した。
また新規感染者数は減少しているものの、懸念すべき点もある。
クリス・ウィティ首席医療顧問は「全体の感染者数は減っているが、20~30代など一定のグループでは感染が増えている可能性がある」と述べ、緊張感を緩めることで、医療体制がひっ迫すると警鐘を鳴らした。
ハフポストUK版の記事を翻訳・編集しました。